初明り富士の山肌染めにけり     瓔子
初売の菓子舗もてなす梅昆布茶    豊治
七種の定かならざる粥となり     柳影
いたいけな児の諳んずる歌留多かな  忠利
釣舟の点在したる初景色       カネコ
抱負など一言語り屠蘇祝ふ      公平
神杉に火の粉のかかるどんど焼き   とめ子
スカイツリー消へてしまひし雪しまく 淑子
スコップの細きをうらみ雪を掻く   操
バス停の風に水仙匂ひけり      宣子

白粥に黄の盛りあがる寒卵     桂伸
軒ごとに年木積み上ぐ奥宇陀路   喜代子
キャンパスは建築ラッシュ春を待つ 道子
飾り馬並ぶ海柘榴市日脚伸ぶ    眞千子
今以つて災禍の民に春遠し     静子
湯たんぽや就寝前のひと仕事    三重子
大見得の仁王に雪のしまきけり   由紀子
年の豆煎りし香残る廚かな     眞千子
豆撒や金の烏帽子の俄か巫女    嘉宏
灘なれや杜氏の法被で豆を撒く   和子


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