明日開花予定の桜訪ねばや 眞千子 たわいなき床屋談義ののどかなる 広治 借景の筑波の峰の朧かな とめ子 籐籠にあざみを活けて客迎へ 泰子 敷きつめる落花畳や飛鳥山 瓔子 献血に一番のりの新社員 静子 諸手あげ駆くる園児や飛花落花 領一 一病に花の見ごろを逃しけり ひいづ 試合後は和気藹藹の花筵 みどり 讃美歌の洩れくる庭や蝶の昼 桂伸
嫋やかや万の藤房もつれなし 幸子 ペン胼胝は死語となるべし啄木忌 柳影 のどけしやガイドの話盗み聞き 元二 雨風に罪なかりけり花は散る 信行 借景の離宮の花に癒されし 和子 ド―ランのまま門に立つ小屋おぼろ 英二 幼子に追はれて跳ぶや雀の子 恵子 菜の花を黄金に染めて陽は西へ サダ子 風光るいにしへ人を偲ぶ丘 喜代子 蔦若葉徐々に白壁おほはむと 千里
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