添へ竹に馴染み初めたる胡瓜苗 元二 一病と付き合ひ長し薬の日 静子 追剥のごと筍の皮を剥ぐ 由紀子 たつぷりと畑に水を夏来たる ザザ虫 夕富士は影絵の如し麦の秋 瓔子 巫女舞の所作のしづしづ鎮花祭 尋嘉 大輪よ深紅よ薔薇の自己主張 幸子 ここよりは裏畝傍なり麦の秋 眞千子 被災地の復興願ひ鯉幟 裕子 翩翻と新樹の上の日章旗 英二
懸案の片付きて出る街薄暑 淑子 石庭の白砂に映ゆる新樹かな 周雄 澄みわたる大空泳ぐ鯉幟 厚子 柿若葉雀は柔き枝に揺れ 千里 見学のあげ浜塩田初夏の風 三重子 円覚寺さんの山門若楓 章子 吟行の伊達の薄着や若葉寒 とめ子 米どころ近江は今し麦の秋 ひかり 朝の陽に雫きらめく薔薇を剪る 喜代子 ちまき盛る伊賀の大皿祝膳 泰子
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