艇庫より舁き出す舟や梅雨明くる 柳影
雷鳴や鏡に映る己が顔      倉太
おはようと声かけあひて水をまく 広治
店涼し相席なれど打ち解けて   ひかり
物好きと言はれ炎暑の畑仕事   元二
何植える思案よりまず草を引く  淑子
爪の色さまざま乙女らの素足   恵子
方丈の涼し襖絵八仙図      由紀子
深山路の滴りを掌に甘露かな   桂伸
部活の子今かと待つや門涼み   とめ子

鱧の皮昔話に花咲きて      幸子
溝一つ越えし畑に灸花      カネコ
夕立の前漆黒の闇と化す     広治
朝涼や京のしきたり門を掃く   道子
谷底に届かぬ光御来迎      公平
登山小屋携帯電話つながらず   和子
神籤引く四万六千日の吉     千里
引き返すことも勇気の登山かな  裕子
庭石に松葉牡丹の色映ゆる    サダ子
補虫網届かぬ幹に蝉の鳴く    隆雄


7月2017
        
1
2 3 4 5 6 78
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23/30 24/31 25 26 27 28 29

俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/