秋天下試し打ちする大太鼓   淑子
枝の柿鳥入れ替り立ち替り   豊治
清水の舞台秋風ほしいまま   ひいづ
天高し何はともあれ野に出でん とめ子
鳴き交し落穂ついばむ群雀   操
彼方まで車窓一面刈田かな   広治
今年また同じ顔ぶれ松手入   章子
濠端にはとバスの列柳散る   元二
紅葉舞ふ宇治十帖を訪ふ道に  眞千子
健啖の媼と交はす菊の酒    道子

松手入れ先づは天辺摘みにけり 尋嘉
雲ひとつなき大空の高きかな  みどり
深大寺何はともあれ走り蕎麦  周雄
無花果の甘い香りの雨上がり  厚子
蓑を干す納屋に新藁匂ひけり  隆雄
吟行子目を皿にして茸採り   倉太
藁くづの匂ひの中の苅田道   領一
毒持つと見えで菌の真白かな  由紀子
積み重ね畑に干さるる落花生  三重子
東福寺紅葉掃く音いつまでも  舞


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