別院の静けさに鳴く笹子かな 柳影 片頬は熱し車窓の冬日濃し 真千子 着膨れて椅子に沈みておりしかな 元二 転がしてある白菜は干すつもり 淑子 谷戸も奥二軒ならんで蒲団干す 宏治 焼芋の笛こだまして神の森 静子 炉辺に聞く秩父訛や峡泊まり 章子 呼び込みも客も着ぶくれ黒門市 尋嘉 冬雲に届かんばかり高野槙 隆雄 フレ−ムの中に地声を憚りぬ とめ子
踏切の開くを待てり懐手 みどり 園庭に寒さ知らずの子の姿 三重子 夕方の年の市にて買うおせち サダ子 鴨の陣投込む餌に総崩れ 広治 葱畑育ち良き畝悪しき畝 千里 性懲りもなく歳末の宝くじ 幸子 相槌は同意に非ず懐手 公平 唯でさへ狭き通路や年の市 英二 朝練の学生の群息白し まさこ 紅白の勝ち負けを書き日記果つ ひいづ
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/