気まぐれに雲出づる日や春浅し 紫峽 塔頭にかかる眉月豆を撒く 智壽子 赤土を巻き上ぐ風の二月かな 元二 春立つや介護ベッドを窓際へ 幸子 松葉杖やうやく馴染み寒明くる 裕子 下萌に歩幅大きく踏み出せり 眞千子 勅使踏む玉砂利清し紀元節 喜代子 機動隊出るは何事建国日 瓔子 剪定の梯子を下りる亭午かな 宏治 湯上がりの電話に油断春の風邪 三重子
雪かづく紅梅は紅失はず 紫峽 場所悪き句碑とな言ひそ梅白し 智壽子 一輪の梅に水琴窟奏づ 由紀子 梅白し姫路城下のバロック展 舞 びつしりと小豆程なる梅蕾 和子 開店は土日限定梅見茶屋 みどり 朱印所へ梅の匂ひの中をゆく 柳影 主なき狭庭紅梅ここだ咲く 聖樹 窓開けて隣の庭の梅香る 厚子 梅開く狭しとばかり数珠つなぎ とめ子
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