教室の窓の明るき春の雪 裕子 強東風や人のまばらな魚市場 倉太 夕東風や屋形船出づ隅田川 晴子 雛の間に北山杉の床柱 隆雄 御殿雛飾る旧家や土間暗し 尋嘉 雛飾り老女並んで写真撮る サダ子 横向きの加減がよろし男雛 信行 心して見れば土筆のそこここに 章子 からし種ほどの芽吹きの雪柳 多美子 よくぞまあ実生五年の芽吹き急 幸子
竹矢来してお水取待つばかり 眞千子 香煙にゆらぐ瓔珞涅槃変 操 凸凹の畝の土塊地虫出づ 領一 池畔行く柳並木の芽立ちそむ 桂伸 ものの芽の堅き土割る力かな とめ子 踏青や忘れし歌の思ひ出づ 聖樹 踏み出しの大きく一歩青き踏む 英二 青き踏む一言主の願叶ひ 千里 ふわふわの土に仕立てて根分かな 元二 天地に声転がして揚雲雀 豊治
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