川風に羽ばたく百の鯉のぼり　　　　カネコ
やはらかき感触至福菖蒲の湯　　　　千里
藤の影ゆるる白壁門跡寺　　　　　　喜代子
母の日の仏母の遺影若きかな　　　　元二
新緑に目を洗はるる朝の道　　　　　周雄
尖塔の十字架白し聖五月　　　　　　聖樹
筍はすぐに茹でよと宅急便　　　　　宏治
円覚寺さんの山門若楓　　　　　　　章子
吟行の伊達の薄着や若葉寒　　　　　とめ子
若葉風たぐりつ登るケ−ブルカー　　豊治

卯波寄す式部の歌碑の立てる崖　　　ひいづ
新茶汲み昔のことをさりげなく　　　幸子
巫女拾ふ拝殿前の杉落葉　　　　　　英二
ハーブ園薔薇の紅茶を振る舞はれ　　和子
咲き誇る薔薇にかしずくカメラマン　公平
物忘れふえて卯の花腐しかな　　　　眞千子
ベンチ欲る芥子の赤さに当てられて　操
獅子踊る祭り神楽の中華街　　　　　桂伸
祭太鼓疲れ知らずの乱れ打ち　　　　瓔子
夏兆す清正の井に指浸す　　　　　　隆雄