翩々の雲の往き来や芭蕉林 智壽子 休み田の黄金の波は泡立草 とめ子 秋の墓地一羽の鴉しきり鳴く 倉太 幻に聞く一弦や須磨の秋 由紀子 続けざま大音響や揚花火 操 遠目には稲田に紛ふ泡立草 英二 天の川願ひは汝も健康と サダ子 今朝の秋牛乳壜の触るる音 聖樹 踊る阿呆血をひく吾は見る阿呆 ひいづ
つくつくし聞こえて止まる写経の手 尋嘉 磐余野の道の小田なり稲の花 真千子 手を繋ぐ刹那も花火上がりけり 舞 手捻りの壺に一輪涼新た 喜代子 山上の松虫草に旅名残 章子 花ことば情熱とかやカンナ炎ゆ 桂伸 秋の蝶地をなぞるかに低く舞ふ 和子 秋来る書店にずらり京都本 広治 野路の秋道に迷ふたかも知れず 幸子
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/