点となり離陸機消ゆる秋の空 領一 祝言の盃交はす菊人形 章子 五十鈴川映る紅葉に手を濯ぎ 操 句心の募るや僧都高鳴れる みどり けざやかに遠山連らぬ秋の空 晴子 十月や心待ちせし文庫買ふ 信行 愛用の杖を振り上げ栗落す 英二 燗もよし冷もよしとて新酒酌む カネコ マーチ湧く日比谷公園天高し 周雄 吟行の土産柴栗一袋 和子
夕飯に取れたてのもの豊の秋 とめ子 松手入手亭午の鐘に鋏置く 瓔子 石舞台見ゆると柿の丘に佇つ 真千子 天高し椰子の木高く実を宿し 淑子 木洩れ日に揺るる影あり秋の風 元二 掌に残る飛蝗の蹴る力 隆雄 栃の実を拾ふ女の手の速し 倉太 山頂の本丸跡に秋惜しむ 公平 天高し園児ら丘にかけ上り 三重子 立話途切れひひらぎ匂ひ来し 尋嘉
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