鳶悠々晴れ渡りたる初御空   桂伸
元日の空は青空深呼吸     倉太
神門に迎春の二字初詣     隆雄
恙なき傘寿を謝して初詣    裕子
傷あとを完治と撫づる初湯かな 幸子
朝晩の酒は今日まで三日かな  尋嘉
サウナ風呂中で思はず御慶述ぶ 英二
小半刻心遊ばせ初電車     淑子
何よりの馳走や熱き薺粥    みどり
腕まくりして磨る墨や筆始    操

羽子板の羽打つ音の途切れがち  三重子
意気やよしとぞ褒めらるる寒稽古 瓔子
国技館とり巻く幟初相撲     周雄
リヤカーで運ぶ古札お焚上げ   晴子
昼過ぎの雨に消えたる雪景色   元二
と言ひて鉄砲玉や女正月     宏治
大雪に思ひめぐらす飛騨の旅   広治
鴨川に群れ飛ぶかもめ春近し   信行
二羽三羽やがて白鳥みな引きぬ  千里
新しき絵の具買ひ足し春を待つ  柳影


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