ひとり言言うては笑ひ四月馬鹿 カネコ 寺町は城郭めきて松の芯 由紀子 江戸川の黄昏ながし菜の花黄 元二 まだ一分それでも開く花筵 周雄 花疲れ足湯で癒す三姉妹 ひいづ 待ち兼ねて灯す雪洞花は二分 尋嘉 抜け参りめきしひとりの花見かな 柳影 大川や屋形船へと花吹雪 広治 小さき靴片方残る花莚 恵子 観音にまみゆ湖北は遅桜 瓔子
吉野への各駅停車花の舞ひ 眞千子 恋みくじ結ばれてゐる桜かな 舞 糸柳暖簾の如く潜りけり 三重子 築山を覆ひ馬酔木は鈴を振る 隆雄 緩やかに坂は曲がりぬ躑躅咲く 信行 幾重にも散り敷く色や藤の花 千里 風紋を伝ひ歩きや汐干潟 章子 田一枚揺るがして鳴く蛙かな 淑子 遠足の子に加はりて由来聞く 英二 囀の広き城址や逍遥す 領一
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