絵襖に耳かたむけん鑑真忌       真千子
一つ二つ大粒もありさくらんぼ   三重子
時の日や発条時計健在なり       和子
古民家の土間の湿りや梅雨に入る 桂伸
一弦琴弾く堂縁の蚊遣かな       領一
梅雨なれや鶯ばりの廊きしむ     ひいづ
十薬の花に埋もるる寝墓かな     章子
梅雨の月すでに天心雨上がる     瓔子
醤香の葭簀越しなる蕎麦屋かな   幸子
時の日の雨に洗はる花時計       豊治

古沼の芥と見たる浮巣かな       宏治
夏帽子連ねて巡る遺跡かな    公平 
芭蕉庵昔のままに草茂る         晴子
競ひ出る引かねばならぬ草ばかり 淑子
谷底の棚田に独り田を植うる     とめ子
九頭竜の激つ瀬に立つ鮎釣師     英二
半眼の駱駝膝折り緑陰に         舞
古刹への坂九十九折ほととぎす   倉太
磨崖仏膝下累々梅雨茸           尋嘉
羽博けば卵の見える浮巣かな     隆雄


6月2019
        
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