朝採りをさつと洗つて夏料理 元二 観覧車襲ふが如く雲の峰 恵子 夕風に七夕竹の躍りけり 章子 香水の匂ひや女性専用車 淑子 風鈴を時折鳴らす庭の風 倉太 騒音の坩堝新宿大西日 操 手を振りて行き交ふ遊船隅田川 桂伸 蓮青葉裏返しゆく風の道 周雄 日傘閉ぢくぐる伏見の鳥居かな 舞 黄菅咲く植物園は谷の底 領一
筆硯に涼しき風や写経の間 広治 ジェット機が追ひ越して行く月涼し 公平 窓を背に座る上司に西日濃し 晴子 ゴジラになり仁王にもなり雲の峰 柳影 大の字になれとばかりや夏座敷 とめ子 百日紅散りて静かな亭午かな 宏治 考へる人は裸像や炎天下 広治 弥栄や民に青田のあればこそ 英二 三尺寝ベンチの下を風抜ける 隆雄 岬への灯台の道夏の果て 信行
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