朝採りをさつと洗つて夏料理       元二
観覧車襲ふが如く雲の峰           恵子
夕風に七夕竹の躍りけり           章子
香水の匂ひや女性専用車           淑子
風鈴を時折鳴らす庭の風           倉太
騒音の坩堝新宿大西日             操
手を振りて行き交ふ遊船隅田川     桂伸
蓮青葉裏返しゆく風の道           周雄
日傘閉ぢくぐる伏見の鳥居かな     舞
黄菅咲く植物園は谷の底           領一

筆硯に涼しき風や写経の間         広治
ジェット機が追ひ越して行く月涼し 公平
窓を背に座る上司に西日濃し       晴子
ゴジラになり仁王にもなり雲の峰   柳影
大の字になれとばかりや夏座敷     とめ子
百日紅散りて静かな亭午かな       宏治
考へる人は裸像や炎天下           広治
弥栄や民に青田のあればこそ       英二
三尺寝ベンチの下を風抜ける       隆雄
岬への灯台の道夏の果て           信行


7月2019
        
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