響きくる靴音怖し虫の闇 とめ子 この句会女ばかりや西鶴忌 倉太 風騒を得んと高きに登りけり 英二 鉦叩思ひ出しては二打三打 瓔子 空仰ぎ家路の楽し月見月 尋嘉 石垣は見附の名残ちちろ鳴く 宏治 屹立の青石映す水の秋 隆雄 芒群れ巻向川に靡きけり 眞千子 磯の香の三浦三崎や鰯干す 桂伸 仕込み水てふ湧水の澄みにけり 淑子
さはやかや指揮者と奏者握手して 幸子 テレビ消し静かにしたき夜長かな 広治 秋気澄む峰の薬師の鐘聞けば 喜代子 水澄むと鯉飛び跳ねて見せにけり 操 読み書きが出来有り難し秋灯 カネコ 長き夜やパソコンの冷え指先に 信行 文机を俄かに月の膳となす 多美子 廃校の遊具を囲む曼珠沙華 三重子 揺れ軋む終の住処ぞ台風裡 千里 搾乳の灯の朝霧に滲みけり 柳影
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