朝早き太鼓の音や秋祭           領一
粒ごとに味ひて食む零余子飯     周雄
藁塚は子の立ち並びたる如し     広治
新米を貰つたのよとお裾分け     カネコ
渡し場となりたる岸辺秋の声     元二
病人の機嫌伺ひ栗を剥く         由紀子
秋霖や鉛色なる山中湖           隆雄
郁子熟るる高きところに三つ四つ 舞
谷あいの棚田百枚案山子展       章子
青き実を残し榠櫨の黄葉せる     柳影

威銃神域の気をゆるがしぬ       喜代子
新蕎麦は此処と暖簾のはためきて 千里
滑らかな麦とろ啜るランチかな   三重子
お渡りの列に加はる在祭         英二
舟の上腰を落として松手入       晴子
菩提樹の実を遊ばせるたなごころ 真千子
迷はずに池に脚立や松手入      公平
山姥の錦と呼ばむ紅葉谷         淑子
サミットを開きし島に秋惜しむ   和子
通院の合ひ間あひまの冬支度     ひいづ


10月2019
        
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