象潟にしぐれ給ふは馬頭尊     智壽子
空高くロケット上がる文化の日   カネコ
土となる輪廻思ひて落葉踏む    裕子
山の辺の道より神の発たれけり   眞千子
絵手紙の一言楽し文化の日     ひいづ
木枯や荒れ放題の海女の畑     隆雄
三毛猫の芝に動かぬ小春かな    晴子
落ち葉蹴る落ち葉に罪はなけれども とめ子
口開けてもらふ飴玉大根引     元二
神留守の箒目著き乃木神社     公平

添へ焚きの伽羅の香りの落葉かな  智壽子
小春日の照らす日差しや窓を拭く  三重子
子の鋤きし畝均す老い冬ぬくし   領一
賽銭箱鎖で繋ぐ神の留守      柳影
庭仕事捗る小春日和かな      由紀子
ふと一語句の纏まるや縁小春    豊治
回廊をすすと小走り十夜僧     恵子
菊坂にいり豆を買ふ一葉忌     章子
山茶花の白に囲まれ道祖神     淑子
小春日やいつもの椅子に紫煙上ぐ  広治


11月2019
          
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