鴨浮寝ほどよき間合保ちつつ 隆雄 池普請盥に運ぶ大鯰 章子 ペダル漕ぐ頬の痛むや冬の朝 信行 堂々の冬木となりぬ大欅 淑子 請売りの話に尾鰭日向ぼこ 幸子 潜りては浮かんで鳰の一日かな とめ子 臥龍なす古木は菰を巻かれけり 宏治 たやすげに見せる手練や紙を漉く 柳影 一本の丸太を焚火宇陀も奥 瓔子 マスク取り話の中に入りけり ひいづ
復興の元気貰うて鮟鱇食ぶ 公平 白障子菊の紋透く門跡寺 眞千子 歴代の逸話あれこれ暖炉燃ゆ 操 大玻璃に写るショールを正しをり 英二 卒寿越しこころたゆたふ柚子湯かな 桂伸 大聖樹万の白光纏ひけり 千里 笹子よとめくばせ交はす吟行子 尋嘉 火の番と会ひて帰宅を急ぎけり 恵子 猿害と農夫の嘆く冬菜畑 喜代子 手伝ひは最後に撞きぬ除夜の鐘 厚子 占ひの幣新しく年用意 和子
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/