新しき出合ひの四月始まりぬ     桂伸
藤原京跡は広しと凧             英二
巣に足を踏んまへてより巣立つ鳥 和子
貯水池は首都の水甕風光る       宏治
春の海渡船乗り場に鳶の舞ふ     章子
花冷やあえかに笑ふ飛鳥仏       眞千子
小さくとも金の風鐸花御堂       瓔子
所作見事儀仗兵らに風光る       広治
春の宵遠くかするる汽車の笛   千里
和服の娘乗せて花下行く人力車   隆雄


落花急信長陣屋跡の碑に         由紀子
藤蔓に身をまかせたる古木かな  喜代子
菜の花黄学習園のひとところ     尋嘉
春うらら園児の散歩微笑まし     三重子
支へ木を抱き込むごとし豆の花   領一
春疾風国旗掲揚ままならず       公平
目覚めよし豌豆の花白じらと     元二
落花霏霏ダム湖魚釣り禁止札     幸子
鳥語聞くバス待つベンチ里の春   晴子
三味の音にまたたく燭や春の宵   操



4月2020
          
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