千年の樟のさやげる五月かな   智壽子
風清し京の老舗に軒菖蒲         道子
薔薇の香の風にそよめく白髪かな 操
仏前に先づはどうぞと新茶かな   元二
万国旗めける広場の鯉幟         淑子
捨てがたく時代遅れの更衣       三重子
武具飾る一刀彫の老舗かな       喜代子
軍港や幟旗めく星条旗           公平
合掌の小さき石仏ねじればな     宏治


くろがねの二見の巌に卯波寄す  智壽子
馴染めざる破れジーパン夏来る   幸子
薔薇園や声かけがたし句作の師   舞
母の日に届くフアックス感謝状   ひいづ
ベランダに珈琲香り夏は来ぬ     信行
鯉のぼり天孫降臨誇る里         眞千子
変色のポスター残る町薄暑       英二
湾巡る遊覧船に鯉幟             隆雄
新緑を愛づ長谷寺の舞台かな     瓔子



5月2020
          
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