三輪山に先づは一礼お田植祭 真千子 吟行の勢揃ひする夏帽子 宏治 放生の池の濁りや梅雨ふかし 章子 朝ぼらけカルスト包む夏の霧 桂伸 いささかの歪みも見せぬ植田かな 由紀子 挨拶は腰伸ばすこと田草取 領一 好きなればこその転職代を掻く 幸子 見はるかす鏡光りの代田かな 周雄 地を這ひて見境なしや花南瓜 元二 空堀の跡は何処や草茂る 隆雄
養生の芝に緑陰広がりぬ 瓔子 塩加減どうのこうのとらつきよ漬け カネコ 今の世にランプの宿や河鹿聴く 和子 蔓で這ふ草忌々し引きにけり 淑子 二面石ここと矢印木下闇 喜代子 決まりごとあるかに往き来蟻の道 三重子 膝ついて鍔広帽子草を引く とめ子 爪痕に生木が絡む出水川 公平 朝釣りの不揃ひの鰺貰ひけり 晴子 ほととぎす寝起きの悪きわれに喝 柳影
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