老幹といへども葡萄たわわなり 和子 鈴生りの柘榴に鋏入れにけり 瓔子 葡萄棚夢二生家は二百年 信行 秋麗の源平池に鳶の笛 章子 山裾を黄金に染むる棚田かな 晴子 手入れ良き名園の土手茸生ふ 領一 戒壇の濠に蓮の実飛ぶ夕べ 由紀子 中千本今は紅葉の行宮址 尋嘉 抜きん出て風に抗ふ敗荷 隆雄 勇ましや万灯率ゐ舞ふ纏 周雄
天高し児は旗降りて横断す 厚子 羊腸の坂を山湖へ紅葉狩 操 誰が置きし椎の実五つ木の椅子に 宏治 秋晴や木曽路に微笑まふ道祖神 広治 御仏を訪ひ秋篠の秋惜しむ 喜代子 九十九折案山子の多き里に出づ 多美子 空谷の木曽路たどれば山粧ふ 桂伸 我ながら良き出来栗の渋皮煮 淑子 南禅寺一会の人と秋惜しむ ひいづ 朝寒や機嫌斜めの膝小僧 元二
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