双六で奥の細道たどりけり 柳影 御掛鯛二尾向き合ひて飾られし 和子 長老の装束ゆかし射初かな 領一 受話器より溢れ出る声初電話 恵子 故郷の地名懐かし賀状来る 隆雄 御慶述べトランプはまた白熱す 舞 初凪に富士は裾野を広げたり 公平 初参り朱の大鳥居まづくぐる ひいづ 七草の洋風味の粥となる 三重子 結ばれて花と見紛ふ初神籤 章子
有馬なれ薔薇湯をたてて女正月 裕子 黙々とただ黙々と雪を掻く 信行 積雪に白き世界の朝ぼらけ カネコ 天窓に月蝕を見る寒夜かな 淑子 溶け競ふ仮設の軒の長氷柱 千里 すさまじき紅蓮の炎どんど燃ゆ 周雄 植うるもの算段の日々春を待つ とめ子 ラガー等の巨体よもやの男泣き 幸子 二三片円窓亭へ風花す 由紀子 佐保佐紀は一筋道や梅探る 眞千子
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