子規庵の鶏頭ぬらす涙雨 柳影 雨後の朝散り敷く葛の鮮やげり 尋嘉 節太の指に筆持つ夜長かな とめ子 爽やかにはにかむ笑顔サイン会 瓔子 長き夜やダルマの水割り薄くして 信行 萩芒咲きて月待つ飛鳥かな 真千子 露草やミッキーマウスの顔めきし 和子 秋灯下推理小説あと少し 舞 菊の酒交はす米寿の祝ひかな 隆雄 己が影踏んで仰ぎぬ今日の月 桂伸
立礼の薄茶相伴萩の庭 由紀子 澄む水を構はず鯉の泥煙 章子 藤原京跡てふ広野秋桜 操 角切の勢子の大いに勇みをる 英二 合力でかはす倒木台風禍 公平 もう開かぬ勝鬨橋や月今宵 恵子 停電の街に上がりし小望月 晴子 倒木や台風に道ありしごと 淑子 山野草竜胆添へて鉢植ゑに 三重子 波に揺れゐる池の鯉台風来 領一
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