天高し野辺に美味しと塩結び とめ子 談山は西の日光紅葉照る 眞千子 切妻の平屋は茶室木の実落つ 三重子 菊の虻黄の只中に狂ひけり 幸子 一穢なき青空恋し秋黴雨 周雄 しぼりたて新酒振舞ふ蔵開き 章子 御会式へ長き石段なんのその 隆雄 枝枝は地を擦るほどや柿の秋 千里 赤き実の枝を揺すりて鵙高音 操 紅葉且つ散るグラウンド草野球 晴子
笑栗の一枝手折りて活けにけり 尋嘉 頭かむ獅子の縁起や村祭 領一 新米や米穀通帳在りし頃 英二 秋高し遥かに光る茅渟の海 淑子 つわりやや治まり二十世紀剥く 舞 ちんどん屋見に遠回り秋夕焼 恵子 西行堂跡の椎の実拾ひけり 宏治 柚子の香に心うきたつ厨事 瓔子 読み返す古き俳誌や秋灯下 ひいづ 葡萄棚連なる丘にワイン城 和子
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