天高し野辺に美味しと塩結び   とめ子
談山は西の日光紅葉照る       眞千子
切妻の平屋は茶室木の実落つ   三重子
菊の虻黄の只中に狂ひけり     幸子
一穢なき青空恋し秋黴雨       周雄
しぼりたて新酒振舞ふ蔵開き   章子
御会式へ長き石段なんのその   隆雄
枝枝は地を擦るほどや柿の秋   千里
赤き実の枝を揺すりて鵙高音   操
紅葉且つ散るグラウンド草野球 晴子


笑栗の一枝手折りて活けにけり 尋嘉
頭かむ獅子の縁起や村祭       領一
新米や米穀通帳在りし頃       英二
秋高し遥かに光る茅渟の海     淑子
つわりやや治まり二十世紀剥く 舞
ちんどん屋見に遠回り秋夕焼   恵子
西行堂跡の椎の実拾ひけり     宏治
柚子の香に心うきたつ厨事     瓔子
読み返す古き俳誌や秋灯下     ひいづ
葡萄棚連なる丘にワイン城     和子



10月2021
          
1 2
3 4 5 6 7 89
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24/31 25 26 27 28 29 30

俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/