短冊に好きな俳句や文化の日　　　ひいづ
乾坤に浮遊一瞬落葉散る　　　　　柳影
強霜や土の匂ひを閉ぢ込めて　　　多美子
冬耕や株を細かく砕けよと　　　　厚子
地産なれ葉付き大根大人気　　　　裕子
遠汽笛聞くや離宮に日向ぼこ　　　隆雄
田仕舞の煙くすぶる湖北かな　　　由紀子
待合にあんぱんまんや七五三　　　幸子
箒目の社隈なく神還　　　　　　　公平
電飾をされて落葉を急ぐ木々　　　瓔子

一斉にカメラの仰ぐ鷹柱　　　　　領一
板一枚敷きて物売る苑小春　　　　淑子
先客の猫に加はり日向ぼこ　　　　眞千子
客待ちの観光馬車や夕時雨　　　　とめ子
お手製のシナモン入りの亥の子餅　晴子
一服す落葉の容赦無きベンチ　　　千里
勇ましき掛け声落とす酉の市　　　周雄
授かりし長き余生や小六月　　　　元二
小春日や名人戦の棋譜なぞる　　　広治
窓磨き小春の陽射し煌めきぬ　　　三重子