若草山過る一閃初燕 英二 野遊びにあらず野仕事今昼餉 尋嘉 出帆の汽笛響くや鳥雲に 広治 畑打ちの後に狸の足の跡 晴子 主病み女手一つ畑を打つ 領一 庭師来てまさかの枝を剪定す 瓔子 古民家の庇の深し雛暗し 淑子 幸祈る心を籠めて雛納め まさこ 剪定や街路に重機ものものし 千里 すみれ濃し崩れさうなる土塁跡 操
紙雛の袂重ねて流れけり 由紀子 不夜城のコンビナートや灯の朧 章子 甲斐駒を遠見に芹の水豊か 宏治 ゴ−ルせし人馬春泥まみれかな 元二 住職の御朱印達筆あたたかし とめ子 つらつらの椿踊らせ鵯翔ちぬ 眞千子 啓蟄や婦唱夫随の庭手入 ひいづ 初音聞く思ひ掛けない我が庭に 三重子 暖かやポカポカ陽気好きと言ふ 信行 神戸から届くいかなご釘煮かな 周雄
俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/