若草山過る一閃初燕      英二
野遊びにあらず野仕事今昼餉  尋嘉
出帆の汽笛響くや鳥雲に    広治
畑打ちの後に狸の足の跡    晴子
主病み女手一つ畑を打つ    領一
庭師来てまさかの枝を剪定す  瓔子
古民家の庇の深し雛暗し    淑子
幸祈る心を籠めて雛納め    まさこ
剪定や街路に重機ものものし  千里
すみれ濃し崩れさうなる土塁跡 操


紙雛の袂重ねて流れけり    由紀子
不夜城のコンビナートや灯の朧 章子
甲斐駒を遠見に芹の水豊か   宏治
ゴ−ルせし人馬春泥まみれかな 元二
住職の御朱印達筆あたたかし  とめ子
つらつらの椿踊らせ鵯翔ちぬ  眞千子
啓蟄や婦唱夫随の庭手入    ひいづ
初音聞く思ひ掛けない我が庭に 三重子
暖かやポカポカ陽気好きと言ふ 信行
神戸から届くいかなご釘煮かな 周雄




3月2022
          
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