山鳩のくぐもる声や里のどか　　英二
師弟句碑訪ふや春雨夫婦岩　　　尋嘉
キオスクの隣で安房の春大根　　元二
雨風に堪へに堪へたる杏咲く　　三重子
対岸に寺のあるらし鐘朧　　　　千里
先師の忌近しを思ふ花便り　　　柳影
本堂で健康講話仏生会　　　　　隆雄
駅前の案内板見て花の旅　　　　操
喧騒をのがれ一樹の花を愛づ　　幸子
進路決まり安堵の朝寝許されよ　和子

町興し復元天守緑立つ　　　　　領一
靖国の初花今朝のニュースかな　瓔子
顔中で欠伸の乳児日の長し　　　舞
瞑りて偲ぶ昔や昭和の日　　　　周雄
春日浴び棚田一枚づつ目覚め　　恵子
初花のグランドに子ら走りけり　広治
まづ一献肴は旬の蛍烏賊　　　　章子
花散つて遊子なぐさむ瀬音かな　信行
買い物へ花降る径を遠回り　　　まさこ
幼帝の御衣を宝や花の寺　　　　由紀子