金冠のあらはに牡丹開きたる      智壽子
一病の小康状態花は葉に     ひいづ
雲井より降りし真人か白牡丹    舞
築地路地ごつた返して夏に入る  元二
御旅所のさ揺らぐ竹の縮れかな  とめ子
不服気に横向く雨の紅薔薇    瓔子
豆飯や口ついて出る国訛り    章子
「深夜の里」てふ濃紫牡丹咲く  領一


虻翔ちて薔薇は真珠の露こぼす    智壽子
皿積んでつんで締めとす穴子鮨  英二
塔の朱のくすみきはだつ新緑裡  尋嘉
長袖を着たり脱いだり薄暑の日    周雄
忍びの緒結び直して武具飾る   公平
有り無しの風に領巾振る白牡丹  操
ふり返る人なき堤花は葉に    広治
初幟琵琶湖の風をほしいまま   由紀子



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