虚子句碑の隠るる丈の紫苑かな 章子 三輪山を離るる月に合掌す 真千子 秋草の茂れる弥生遺跡とぞ 幸子 軒下に唐黍を干す鄙の家 和子 恙なく招待受くる敬老会 ひいづ 釣果なき無為の半日鰯雲 柳影 ひもすがら降りみ降らずみ昼の虫 瓔子 颱風禍仮設の風呂に笑顔の子 舞 霧籠めの蔵王連峰町薄日 操 子規庵の糸瓜水採る人もなし 隆雄
ため息をつくや高値の初秋刀魚 英二 新築のビルの植込み虫の声 恵子 秋草やその名皆目知らねども 元二 有り無しの風にざわめく糸芒 晴子 満月の雫と称し一人酒 信行 道の駅西瓜小突かれどほしなる 淑子 独り居や到来西瓜とにらめつこ まさこ 展望の眼下秋桜咲き初む 三重子 黄昏の沼辺のベンチ虫集く 千里 山門にわびを添へたる芒かな 周雄
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