山路行く落葉踏む音道連れに 隆雄 時雨傘差す子差さぬ子登校す 三重子 父と子の同じネクタイ七五三 ひいづ 連れ立ちて畦を前後や御講婆 由紀子 かさばると言ひつつ葉付き大根買ふ 元二 柊の花の匂へる社家の垣 柳影 走り根の乱るる谷戸の落葉道 千里 伐採を免れし巨樹帰り花 とめ子 せせらぎを止むる落葉や大銀杏 晴子 貰ひ手を探す豊作大根かな 淑子
山間の日暮れは早し帰り花 章子 高らかに鳴らす大鈴神の留守 瓔子 ささくれのひりりと沁みる今朝の冬 恵子 枯はちす乱るるままに風に鳴り 宏治 石段の裾こんもりと落葉積む 操 柿落葉色の綺羅やか惜しみなく 尋嘉 出会いから半世紀かと落葉踏む 信行 池囲む土手の錦繍冬紅葉 領一 落葉踏み藩主の井へと歩をのばす 和子 落葉炊く煙の中の興福寺 眞千子
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