菩提寺へ母の手を引き桜狩 隆雄 青々と育つ菜の花疏水べり ひいづ 思はざる病院通ひ花は葉に 淑子 てんでんに啄む鳩や芝遅日 操 嬉嬉として吹く景品のしやぼん玉 千里 平成の御世を惜しみて桜散る 柳影 引潮に攫はれてゆく花筏 瓔子 引く波に置いてきぼりの桜貝 とめ子 杖止めて名残の花に見入りけり 元二 レジ横に見習ひ社員四月かな 尋嘉
耕しの十人十色貸農園 領一 心地よき葉擦れの音や花は葉に 広治 蝶二頭近づき離れ舞ふごとく 三重子 口笛の通り過ぎ行く春の宵 恵子 菜の花の黄色鮮やか多摩堤 周雄 抜け殻の潜水服や春日向 公平 丈六の本尊背に甘茶仏 英二 買い物へ花降る径を遠回り まさこ 囀は森と奏でるコンチェルト 晴子 豆の花メンデルの法赤と白 和子
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