金冠のあらはに牡丹開きたる  智壽子
入院の婆の畑や麦は穂に	 とめ子
水都なれ薔薇の園おく中之島	 由紀子
わが吹きし硝子の小瓶薔薇を挿す 瓔子
神宿る如き大樹や新樹光	 広治
掛軸の知足つくづく新茶汲む	 英二
川縁に五弁の野薔薇香しき	 三重子
つやつやと昇り竜めき蔦若葉	 千里


鬨の声めく球児らや城若葉   智壽子
御輿立ち葵祭の始まりぬ	 信行
若楓水かげろふの取り縋る	 操
武蔵野の空まつすぐに朴の花	 宏治
ねんごろに拭ふ仏壇母の日は	 元二
写生子の見つめる先に新樹光	 公平
秘密基地へ子等吸ひ込まれ夏来る 恵子
リフォームの母の紬や更衣	 章子



5月2023
          
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