名刹の谷を埋めし七変化 淑子 山荘の鳥語のかくや明易し 宏治 山門をくぐりて著莪の浄土かな 幸子 梅雨晴間砂場で遊ぶ子等の声 三重子 園巡るゆかしき銘の花菖蒲 和子 玉砂利を踏む音重し梅雨に入る 千里 貯水池を目指す小径や時鳥 領一 芝青し大の字に寝て天仰ぐ 操 緑陰を拾ひつつ行く段葛 隆雄 花蜜柑向かう岸より匂ひけり 宏治
杣道に風を誘ふほととぎす 柳影 嵐吹く曽爾の山道青芒 瓔子 創業は江戸時代とや夏暖簾 恵子 子鴉の甘え鳴きして森の朝 由紀子 傘マーク続く予報や梅雨長し 周雄 梅雨の晴子犬のせがむ散歩かな ひいづ 長梅雨に沼と果てたるグラウンド 晴子 この時と庭の草引く雨の後 元二 風のままふわり子蜘蛛や糸の先 まさこ 大峯山くつきり見えて梅雨上がる 眞千子
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