名刹の谷を埋めし七変化	 淑子
山荘の鳥語のかくや明易し	 宏治
山門をくぐりて著莪の浄土かな 幸子
梅雨晴間砂場で遊ぶ子等の声	 三重子
園巡るゆかしき銘の花菖蒲	 和子
玉砂利を踏む音重し梅雨に入る 千里
貯水池を目指す小径や時鳥	 領一
芝青し大の字に寝て天仰ぐ	 操
緑陰を拾ひつつ行く段葛	 隆雄
花蜜柑向かう岸より匂ひけり	 宏治

杣道に風を誘ふほととぎす      柳影
嵐吹く曽爾の山道青芒         瓔子
創業は江戸時代とや夏暖簾	  恵子
子鴉の甘え鳴きして森の朝	  由紀子
傘マーク続く予報や梅雨長し	  周雄
梅雨の晴子犬のせがむ散歩かな  ひいづ
長梅雨に沼と果てたるグラウンド 晴子
この時と庭の草引く雨の後	  元二
風のままふわり子蜘蛛や糸の先  まさこ
大峯山くつきり見えて梅雨上がる 眞千子



6月2023
          
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