大晦日明かり煌々塾の窓 恵子 枯芦の跋扈と言はむ城の濠 領一 トロ箱に小さき鱈の目糶の朝 千里 布衣の身もやはり必要日記買ふ 和子 歳晩の忙中閑やコンサート 幸子 ご神水掬はむと脱ぐ手套かな 章子 鴨散りぬ脅すつもりはなけれども 淑子 葛湯吹く夫の真白き長寿眉 眞千子 英霊の碑へと冬日の燦燦と とめ子 妻編みしセーター愛用五十年 尋嘉
内濠に即かず離れず浮寝鳥 操 お台場の夕陽に機影開戦日 まさこ 辛口の句評も楽し納め句座 ひいづ 初雪を喜ぶ児等の燥ぐ声 三重子 黴菌を遺棄するごとくマスク捨つ 柳影 全身に香煙浴びて札納め 隆雄 雪吊や遺愛の松の威風なる 晴子 天晴れなV字編隊鴨飛来 広治 逆立ちの鴨にピントを合はせけり 宏治 枯木立綾なす影を踏み歩く 瓔子
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