第10回 虹の会 柴又吟行

平成9年5月18日



参加者16名
天気晴れ
句会場川甚
集合場所京成柴又駅改札口
  
この日詠まれた季語たち
薄暑・夏の風・青嵐・夏・初夏・薫風・風光る・早乙女・余り苗
烏麦・草引く・草茂る・汗・椎匂ふ・鮎・卯波・種案山子・植田
金魚・雲雀・青芦・花菖蒲・葱坊主・舟遊び・鳳仙花・蟻・夏霞
青芝・白南風・こがねむし・夏の蝶・若葉・青葉風・下闇・松の芯
幟・ビール・ラムネ・あやめ・緑陰・夏料理・氷菓・残り鴨
遠足・キャベツ・緑・まくなぎ・筍・葉桜・夏柳・破竹・新樹冷


京成柴又駅集合。帝釈天の参道の入口にフーテンの寅さんの口上の碑がある。参道の店を覗きながら歩き、帝釈天の門の前を江戸川の土手へと曲がる。
矢切の渡しを渡ると、対岸は千葉県の松戸である。景色は一変して、田園風景が広がる。田植えが済んだばかりの田んぼやきゃべつ畑の中をまっすぐ歩くと小高い丘につきあたる。ここが伊藤左千夫の小説「野菊の墓」の舞台となったところで、碑が立っている。
文士も遊んだという料亭「川甚」で、虹の会10回記念の昼食会の後、句会をする。料理はうなぎに鯉こくなど。帰りに帝釈天の参詣をされた、吟行子も。(瓔子記)


小路紫峽先生選

草茂る矢切の渡し名所なるマサエ
白南風や野菊の墓は丘の上和男
句敵の和気あいあいやビール酌むマサエ
遠足の並ぶ矢切の渡しかな好子
間をおいて運ぶ料理の卓涼し静子
箸置は鮎をかたどる夏料理瓔子
渡し待つまくなぎを手で払いつつ丹花
あっといふ間に向ふ岸舟遊びひで子
草茂る矢切の土手の一里塚忠利
名にし負ふ「川甚」の夏料理かなひろし
渡舟場に人混み合ふや南風吹く静子
丘の上なる左千夫歌碑新樹冷
川風に古りし水亭夏料理ひろし
遠足の分乗したる渡し舟瓔子
筒袖の風にふくらみ種案山子
江戸川を超せば雲雀野野菊の碑