第30回 虹の会 平林寺吟行

平成13年11月25日



参加者9名
天気晴れ
句会場新座市民会館
集合場所朝霞台駅南口

平林寺山門

平林寺へは東武東上線の朝霞台駅(JR武蔵野線北朝霞駅)からバスで約15分、山門のすぐ前に着く。拝観料は300円。 門を入ると一行は三三五五別れて、広大な境内を各自のペースで吟行した。句会場の新座市民会館は畑を横切る近道をとれば歩いて7、8分であった。



楼門
◇カメラマンの多さとハイキング姿の人々、境内の広さと紅葉のきれいな色、京都とはまた違った風情がありました。(留美子)
◇句作りの私たちに場違いかと思う堂縁に干布団まで並んでおりました。(律子)
◇禅道場の厳しさなんてあまり感じなかったが。(辰也)
◇智恵伊豆とよばれた松平伊豆守の墓は一族のお墓の中ほどにあり、観光客も少なく静かでした。(瓔子)

境内林と散策路
◇広い境内が素晴らしい紅葉でした。武蔵野の昔はすべてこんな雑木林だったのでしょう。落ちている葉を見てこれは栗、これは桜と言って歩くのも楽しい。どんぐりの実が沢山落ちていて拾おうとすると根が付いているものもありました。こうやって雑木林は維持されていくのかなと実感できました。(淑子)
◇広大な武蔵野の雑木林は今を最後の紅葉中。初冬を肌に感じつつ歩きながらにメモをとりました。時間が少し足りないなと思いました。(信行)
◇野火を見張るための高台だったのでしょうか。 ◇野火止塚はいろいろ想像させてくれて楽しかった。(辰也)

野火止塚

業平塚
◇林の一番奥にある業平塚。歌碑でないのがちょっと残念にも思う。このあたり広々としていて、お弁当を広げている人々が多かった。(瓔子)
◇武蔵野のおもかげの残っている杜の散策も楽しんだ紅葉狩りでした。(操)

小路紫峽先生選
道場の縁に雲水布団干す辰也
武蔵野の野火止の堀水涸るる辰也
本堂に色とりどりの蒲団干す留美子
釈迦堂の中暗かりし紅葉冷
枯れてなほ楠の大樹は威を張りぬひで子
吟行の楽しく寒きこと云はず静子
苔むせし智恵伊豆の墓木の実落つ辰也
初冬の境内広し杉木立ひで子
学僧の青きつむりや布団干す律子
モンペ履きあねさんかぶり落葉焚ひで子
堀埋む落葉となりし楓かな信行
陽に酔うてさまよひにけり冬の蝶瓔子
禅林に踏むは七色落葉かな律子
紅葉寺奥の院には人を見ず淑子
破れゐるビニールハウス菊残る瓔子
綿虫は業平塚を漂へり瓔子

先生より「もっと感じたことを思い切って表現のこと」とコメントをいただきました


この日詠まれた季語たち
秋・初冬・冬日・冬晴れ・紅葉・照葉・黄落・紅葉且つ散る
紅葉散る・紅葉冷・紅葉狩・落葉・銀杏散る・冬紅葉・朴落葉
木の葉雨・団栗・木の実落つ・枯葉・枯尾花・寒椿・布団干す
枯蟷螂・綿虫・冬の蝶・残菊・水涸る・冬菜・寒し

 
参加者のひとこと
今日は季感を強く訴えた写生をしようと心掛けて来ましたが時間内に充分推敲できませんでした。あれもこれもと欲ばることもいけないことが思い知らされました。(静子)
平林寺の広さと紅葉の美しさに圧倒されました。三連休の人出もさすがでした。(操)
今日の吟行を待つように小春日が続いてくれました。美しい紅葉を仰ぎ、枯葉のかさこそと鳴る径を歩きながら日本人でよかったなあという思いを深くした一日でした。(ひで子)
近所のおうどんやさんが混んでいて食べられなかったのが残念。今年の紅葉の最終日でしたからね。(淑子)
願ってもない吟行日和となり平林寺の広い広い境内を心ゆくまで散策できました。落葉時雨に、紅葉の美しさに酔いしれた一日でした。(律子)