第50回 虹の会 小石川後楽園吟行

平成16年3月20日



参加者14名
天気
句会場小石川後楽園涵徳亭
集合場所JR飯田橋改札口


枝垂桜

10時半、飯田橋駅で待ち合わせ。小石川後楽園には歩いて7分ほど。
 小石川後楽園は、水戸徳川家の上屋敷内の庭園だったところで、1629年初代藩主頼房が庭の造営に着手し、2代光圀に引き継がれた。中国趣味を取り入れた回遊式築山泉水庭園で、後楽園の名は光圀の命名とのことである。



◇一歩門をくぐると、グラビアの写真そのものの枝垂桜が雨の中、清らかに美しかった。晴雨にかかわらず吟行は楽しい。(丹花)

◇門を入ってすぐに目に入ったのが枝垂桜、思いがけず咲いていてうれしくなった。ここで一句とがんばったが、やはり桜はむずかしい。(隆雄)

◇今日は梅満開、桜ちらほらの予想だったが、梅は0、枝垂れ桜満開とびっくり。(辰也)
◇雨の中、おしどりの番がほとんど動きもせずにいたのが印象的。(淑子)

蓬莱島

藤棚
◇藤棚を見下ろしたのは初めて、上から見ると幹が絡み合ってすごい。下からの景色と全く違う。(辰也)

◇腰の高さくらいにしつらえた藤棚、雨にぬれて黒々とした枝が絡み合い、壮観。咲いているときも見たいものである。(淑子)
◇あらゆるところに京や中国を模したたたずまいに「天下の副将軍」といわれた水戸藩の心意気を感じました。(聖樹)

酒亭

 ◇清水さん、通天橋、大堰川、渡月橋、それに西湖堤、蓬莱島まであり、まるで京都にいったみたいでした。雨で道が泥々、これも春泥を思えば、何やら楽しくなったのが不思議。(隆雄)
◇順路に長めと短めの2通りがあり、今日は長い方をとった。1.4Kmとのこと。じっとはしていられない 寒さだった。園内にいるのは、吟行中の俳人ばかりかとも思われた。(淑子)
◇東京のこんな真中に江戸にタイムスリップしたような空間があることが驚きです。(聖樹)

不老の井


小路紫峽先生選

石橋は栄華の名残水温む聖樹
西湖模す土堤に花人歩を止めず節子
礎石のみ残る堂跡西行忌辰也
手際よく仕上る彼岸団子かな丹花
琅玕に垣直さるる不老の井律子
八つ橋に届かんばかり菖蒲の芽隆雄
花の冷かてて加へて雨つのる
背景は東京ドーム花の雲聖樹
春寒をかこちて記念句会かな聖樹
時を得て今ぞと芽吹く庭の木々静子
運ばるる花見弁当今日の句座丹花
しとど降る雨に芽を上ぐ菖蒲かな聖樹

この日詠まれた季語たち
枝垂桜・花・桜・初桜・花見・芽吹き・木の芽・椿・木瓜の花
菖蒲の芽・木五倍子・菜の花・馬酔木・著莪の花・筆の花
蕗の花・桃の花・芽柳・春の雨・春霖・菜種梅雨・残り鴨
花冷え・春寒・春疾風・鋤田・田起し・耕し・下萌・青き踏む
水温む・春泥・春障子・西行忌・佐保姫・亀鳴く・垣直す・彼岸

 
参加者のひとこと
虹の会50回を祝うかに後楽園の要の枝垂桜が見事な姿を見せてくれました。冷たい雨もしばし忘れて花を堪能いたしました。
戻ってくるプリントも参加者のコメントあり、カラー写真ありで楽しく一枚一枚大事に保存しております。今後とも百回をめざし、よろしくお願いいたします。その時まで元気に吟行出来ますことを念じています。(律子)
少々足は冷えましたが、雨のお花見もなかなかに風情があって、楽しめました。句会場は暖房が効いており、ほっとしました。(享子)
二ヶ月に一度の句会で五十回になるのは八年あまりと聞き、その年月に驚きました。池に面して二方向の窓から花の雨を眺めながら記念のお弁当を頂きました。(操)
久々の吟行に参加させていただき、皆様からよい刺激を受け、一所懸命に作句致しました。天気が良ければもっと集中出来たことと思いました。(静子)
会場の申し込みに来たときは、梅がきれいでした。桜の咲いている今日よりはかえって暖かかったと思います。その時その時何かに出会えて楽しいのが吟行句会です。でも、春だと思って寒さ対策を怠ったのは失敗でした。(瓔子)
朝から雨で、出掛ける前は二の足を踏みましたが、ついてみて、やはりよかったと思いました。「雨の日は雨の句が出来る」と先輩の言われたことを納得したことでした。(貞子)
生憎の雨ではありましたが、しだれ桜に会い雨もまたよき風情の園の逍遥に心を洗う一日となりました。主催者に感謝申し上げます。(季男)
三百年続いた徳川治世のお蔭でこの様な庭園で一日を過ごす事のできた事を有難く思いました。築山に生えているのは熊笹というのでしょうか、風情があって見事でした。可愛らしい朱塗りの橋を渡った時、十年程前の記憶がよみがえりました。大好きな築地塀に囲まれた庭園の見事なこと、これが茶色の築地塀だったらもっと良かったのに・・・(ひで子)
聞いてはおりましたもののかつらぎの会と一緒の会場で、なつかしいお顔がいっぱい。逢う度に感激の握手握手で大さわぎ。大さわぎするのは私の方かなと反省したり喜んだり、俳句はつくらなければならないし、彼岸寒の雨は止まないし、という次第。
五十回記念のお祝いが出来て虹の会も益々活気のある楽しい句会になってゆくのが何よりです。昼食のお部屋から西湖堤や枝垂桜が窓いっぱいで、よい会場を用意してくださったと感謝しながらの句会でした。(節子)