第53回 虹の会 清澄庭園吟行

平成16年9月20日



参加者14名
天気曇りのち晴れ
句会場芭蕉記念館分館
集合場所清澄庭園

清澄庭園 涼亭を臨む
今回は地下鉄の駅から近いので、集合せずに各自清澄庭園に直行。清澄庭園を中心に芭蕉記念館や隅田川のほとりを吟行した。深川記念館などを見学された方もあったようだ。


清澄庭園 磯渡り
◇数奇屋造りの涼亭を中心に清澄庭園は秋水豊かであった。(丹花)

◇明治の富豪と云うのは本当に富豪だったんだなと感心します。百年も生きているんではないかと思うような巨大な亀や鯉がゆうゆうと泳いで居り、まき餌に開ける口は実に「獰猛」(周雄)

◇売店で焼き麩を求め、鯉や亀に投げてやる。それをみつけて鴨も集まってきて、童心に返る。全国から集まった石が沢山散在しているが、俳句に詠む自信はない。(斉)

◇池にかるがもが沢山居て賑やかだった。(隆雄)

◇暑いので売店で昔はアイスキャンデーといった棒状の氷菓を買って,庭園の名石に腰掛け食べました。  この形の氷菓をこの前舐めたは何10年前だったかなと思いながら食べました。(辰也)

◇はじめてみた鳰がとても可愛かったのが印象的でした。(なぎさ)

◇磯渡りの石あたりで水に触れては子供達が楽しげな声をあげていました。(淑子)
◇この園は何年も前のたたずまいと変わらず、昔の句友の作句など思い出してなつかしいかぎりです。林泉に蛇の衣がかかっていて大の蛇嫌いの操さんが、一目散に逃げ出したことなぞ、皆におしゃべりしながら、曼珠沙華の点在を眺めていました。(節子)

◇曼珠沙華が盛りで、池の鯉も大きく太り、句材にはこと欠かない吟行でした。(聖樹)

◇曼珠沙華が記憶にある場所にちゃんと二、三倍に増えて芝生を彩っていて嬉しいことでした。(ひで子)

清澄庭園 彼岸花

清澄庭園 芭蕉句碑
◇清澄庭園のもっとも奥にある句碑。
「古池やかはづ飛び込む水の音」
◇句会場の芭蕉記念館分館ちかくに初めて芭蕉庵跡を見学。芭蕉記念館も見学して感激でした。(聖樹)

◇「古池やの句碑」がここにもあり、石や陶器の蛙の置物も。

芭蕉庵跡

芭蕉記念館分館の芭蕉像
◇日差しが淡く、水上バスのデッキの人達が気持良さそうでした。遊歩道として整備され墨堤は少しきれいになりすぎのようにも思われました。(操)

◇小名木川と隅田川が合流するところに芭蕉像があり広々とした景色を眺めている。像の真下で鯊釣をしている人もいた。(瓔子)

◇川べりの芭蕉像へ上る階段に垂れこんでいた萩が印象的でした。(辰也)

◇大川の水がきれいになって流れていた。その豊かな流れにセーヌ川を思い出した。(隆雄)
この日詠まれた季語たち
秋・秋晴・秋日和・秋の空・秋の雲・秋の川・秋の水・水澄む・秋澄む・秋風・秋気・色なき風
曼珠沙華・萩・草茂る・石榴・花茗荷・椎の実・破芭蕉・芦の花・百日紅・車前草
敬老日・秋彼岸・秋暑し・色変えぬ松・松手入・柳散る・青鷺・初鴨・通し鴨・鯊釣・子亀・鵜
里祭・神輿・夏暖簾・氷菓・秋の蝶・秋の人・行く秋・白障子・野分・月・無月・涼し






小路紫峽先生選

川端の萩腰高に括らるる
簪のやうにがまずみ色づきぬ隆雄
粋筋の人見当らず生姜市丹花
無い袖は振れぬとばかり破れ芭蕉瓔子
翁像脇侍をなせる破れ芭蕉ひで子
水亭の張り替へられし白障子貞子
渉り石糞の汚れや通し鴨
瑕瑾なき葉の一枚や破れ芭蕉瓔子
小名木川水門灯る無月かな節子

 
参加者のひとこと
彼岸の入りとは言え、残暑を感じる日和でした。よく手入れされた庭で、様々な地方の石があり、すごいと思いました。(なぎさ)
暑い暑いと辟易しているうちに大川には涼しい風が吹き抜けていく頃となりました。虹の会にも久し振りに出させて頂き、皆様の秀句、佳句に接し、楽しい時間を過ごすことが出来て感謝でした。(勝子)
家より二時間あまりかけた吟行でしたが、気持のよい回遊式林泉庭園で楽しく散策出来ました。句会場も芭蕉ゆかりの場所で意義あるひとときを過ごすことができました。(貞子)
少し暑かったけれど秋日和の中充実した吟行だった。涼亭は貸席となっていて入れなかったが、きっと眺めが良いことだろう。句材が豊富で季重なりが心配。(斉)
いつか冬の或る日、ここの集会場の中から大きな玻璃戸に粉雪がさかんに舞うのを見た。余りの見事さに今でも忘れられずにいる。四季それぞれの魅力に又訪ねたいと思う。(丹花)
名園の吟行会を今日行ったのは正に当を得ていたと思います。季題も沢山あったのに中々句の方は思い通りにいきませんでした。半蔵門線が延びて清澄庭園へ来るのがとても便利になりました。(ひで子)
敬老日で入場無料、これがまず良かった。「どぜう」の暖簾を見て、食べたいなと思ったが時間がないのでがまんした。(隆雄)
清澄庭園はゆきたいけれど、往復の時間を考えてはためらっていました。夏負けもの残っているしと思いながら、地下鉄の路線を眺めていると、直通で行けるようになっていてびっくりしました。すわと吟行支度、あっという間に渋谷から清澄庭園まで来てしまいました。(節子)