第54回 虹の会・メール句会合同 箱根吟旅

平成16年11月7日、8日



参加者13名
天気7日晴れ、8日雨のち晴れ
宿泊早雲荘
集合場所小田原駅、箱根湯本駅


強羅公園


関西から句友を迎えて、虹の会とメール句会の初めての合同吟旅。
交通の便を考えて、集合場所を小田原駅と箱根湯本駅2箇所にし、12時6分発の箱根登山鉄道で合流した。
1日目は、強羅公園を吟行して3時すぎにチェックイン。夕方に第1回目の句会、夜は席題で2回目の句会。2日目は、貸切のマイクロバスで仙石原、大涌谷、姥子、箱根恩賜公園を吟行し、展望台句会。計3回あわせて18句を出句した。

第1日目


◇強羅行きの電車を待つ人がホームにあふれるほどの行楽日和に恵まれ、心待ちにしていた箱根吟旅の一日目が始まりました。(操)

◇いつ来ても箱根はさすが天下の険どこも見廻しても季題ばかりで目移りすること夥しいといったところです。(節子)

◇久し振りに来た箱根は最高の日和に恵まれもっとも良い紅葉に出逢え感激もひとしおです。(ひで子)

◇登山電車のスイッチバックがいかにも箱根の山という感じで興味深かったです。(喜代子)


強羅公園ヒマラヤ杉と紅葉
◇強羅公園は日本最初のフランス式庭園と云う事で西門から入った時は、バラが沢山あって日本的ではないなと思っている中に白雲洞茶苑に入ると一変して侘び寂の世界があった。(周雄)

◇バラ園から茂吉の歌碑へ。人通りが多い。(淑子)

◇茂吉の歌碑は巨石である。歌は「おのづから寂しくもあるかゆふぐれて雲は大きく渓に沈みぬ」(斉)
◇秋バラのなぞえの公園にはその下にある噴水の穂先が見えて、思わず息をのむ光景でした。(節子)

◇咲き揃った秋薔薇にまず目を奪われました。(操)

バラ園

十月桜
◇園内にはやたら十月桜が見られた。都内ではなかなか見られないのでうれしかった。(斉)

◇十月桜に電飾のコードがついており、夜景を一度見たいと思った。(辰也)

◇茶花の園も珍しい一つです。(節子)

◇田舎風のお茶席で思いがけずゆったりした時間を持ててよかったと思います。(喜代子)

◇お茶室のお茶代500円を払えば、白雲洞の茶室の内部見学できるのだが、あいにく満腹でパスした。(斉)

◇強羅公園の紅葉が素晴らしかったと共に、枯葉が今にも散りそうで散らずに風に揺れていた風景が枯葉の季語にぴったりで感心。(辰也)


茶花園

大文字草
◇温室でパパイヤの実、ブーゲンビリアを撮影。温室といってもこの地方のものは育ちがよいように思える。(淑子)

◇温室の中に白やピンクの沢山の大文字草が展示されていました。(瓔子)

◇出口に3時に集合まで、時間がたっぷりありましたのに、広い公園にまわり足りないような気持を残して宿に向かいました。(操)

◇本当の温泉に入り汗がなかなか引かず、浴衣がとめどなく流れる汗でびっしょりになりました。せっかく着替えたのに句会には又昼間着たシャツで出席せざるを得ず、一泊吟旅の趣が減殺されました。(柳影)

早雲荘

第1回句会 小路紫峽先生選

紅葉せし千尋の谷をのぞみけり喜代子
冬薔薇いろとりどりに妍競ふ貞子
眼下にす吊橋ひとつ谿紅葉柳影
鉄橋の古きを抱く紅葉谿ひで子
茶室へと紅葉かつ散る石畳喜代子
カメラ向け逆光かこつ紅葉かな瓔子
湯げむりの大涌谷に冬来る
温泉の宿へ坂又坂や紅葉冷
フレームに親指ほどのバナナの実隆雄


句会風景

第2回句会 席題「小春」「落葉」

富士見えぬことの惜しくも園小春
旅小春上衣脱ぎたくなりにけり節子
座らむと落葉を払ふベンチかなひで子
茶室への小径は落葉時雨かな喜代子
山腹の湯煙太き小春かな
踏み応へありし金樓梅落葉かな喜代子
甌穴の落葉だまりとなりにけり節子
落葉踏み天下の険の箱根越ゆ

 
第1日目の参加者のひとこと
予定していたロマンスカーが満席で集合に遅刻。紅葉のころの箱根の人気を忘れていたとは。思えば、メール句会も虹の会もよく続いたもの。投句者の皆さんに多謝。天気よく宿よく食事よしこれで入選句が多ければいうことなし。(淑子)
お天気にめぐまれ、いい吟旅の第1日目でした。宿も立派でお世話くださった幹事の方に感謝一杯です。(貞子)
いつもは一人で吟行しているから適当な時間を過いましすごしていましたが、今日は緊張した吟行が出来て楽しかった。お天気も良くて紅葉もきれいで先輩の方の句も拝見出来て有意義な一日でした。(宣子)
箱根の吟旅が近づいてくると風邪をひかぬやう、お腹をこわさぬやう必死でした。秋霖がやつとやんで晴天の予報のつづく日曜日となりました。いつも皆さんのお世話になり乍らの句会に感謝してをります。(節子)
宿のお部屋のまん前に大文字の跡がくっきりと見え、送り火の大文字の時に来られたらどんなに良いかしらと思いました。温泉に入り、これで良い句ができたら最高なのですが・・・(ひで子)
晴天に恵まれた立冬の句会。箱根までの電車の車窓、すすきがどこにでも咲いている。稲架がそのままになっている田があちこちに見られて感激。(斉)
見ごろの紅葉、あたたかい日差しにめぐまれた最高の紅葉吟行でした。「所変れど俳句変らず」で普段の不勉強と感性のなさを痛感するばかりの一日だったのは残念でした。でも見事は紅葉、これだけで充分満足しました。(隆雄)



第2日目



仙石原
◇宿を出てすぐに時雨れが来て心配したけれど、バスを降り立ったころにはちょうど雨があがって、仙石原の風景を楽しんだ。(瓔子)

◇大涌谷は大型バスの団体客で黒山の人。湯けむりの黒玉子小屋まで上り下りの人の群で一寸した渋滞。黒玉子をゆでている現場を見ることができた。(斉)

◇黒玉子6個入り500円。思ったほど真っ黒ではなく、墨流しの模様のようだった。まだ暖かくておいしかった。(瓔子)

大涌谷

姥子 建替中の薬師堂
◇姥子の湯が涸れていたころのことしか覚えのない私には、滔々の湯滝にただ驚くばかりでした。足湯が出来ないままに掌をひたしていいお湯と喜んだり、湯薬師の堂の新装への槌音に感動したり、姥子の湯のすたれたころを思って嬉しいことでした。(節子)

◇姥子温泉から硯石まで紅葉の山道を登ったが、大涌谷から湖尻までのこの山道を歩いてみたいもの(斉)

◇姥子の宿付近もっと時間を掛けてまわって見たい。(辰也)

姥子

旧街道
◇元箱根の旧街道も石畳でなく、ちょっと興がそがれた。(辰也)

◇この写真の展望館の二階が休憩所になっていて、ここで句会をしました。句会を知らない人には何をしているのかしら?と思われたことでしょう。早くきて場所を確保してくださった幹事さんありがとうございました。(瓔子)


箱根恩賜公園 展望館

箱根恩賜公園展望館より芦ノ湖を望む
◇天気予報の通り、昼食の間に青空が広がり、恩賜公園の展望台より芦ノ湖を見下ろし句作しました。(操)

◇期待の富士山はとうとう見えませんでしたが、車中で青畝先生の「心眼に見よ」とのお言葉があることを伺い、芦ノ湖に向かい心を遊ばせました。(喜代子)

第3回句会 小路紫峽先生選

門閉す山荘通り落葉降る宣子
函嶺の闇のせまれる夜長の灯節子
富士見えぬ富士指す露の方位盤ひで子
時雨るるや茶屋に思はぬ長居して宣子
冷えし掌に大涌谷の黒玉子喜代子
時雨るるや温泉玉子の掌に温く柳影
しぐるるや傘を買はむか買ふまいか
身にまとふ硫黄の煙り時雨来しひで子
初時雨箱根関所の門黒し瓔子
時雨るるや視界をうばふ湯の煙宣子
霧這へる箱根古道の杉並木隆雄
電飾のつけられ十月桜咲き淑子

 
第2日目の参加者のひとこと
朝一名顔が見えないので不審に思っていたら、淑子さんが仕事があるので帰られたとのこと。彼女は昨日はみんなに遅れて参加され、今日は会社へとんぼ返り、幹事としての責任感がそうさせたのだろうが、感謝の念で一杯。こんな幹事さんたちのお蔭で虹の会が五十回を超えることができたことをありがたく思います。(柳影)
時雨あり秋晴あり紅葉、落葉と句材一杯の箱根路でした。いい句が作れないのは自分の力不足と痛感しました。又、機会があれば、ご一緒させていただきたいと思います。(宣子)
温泉の良くてお食事の良くて申し分のない吟旅でした。その上句の出来が良ければよいのですが・・・時雨に会えたのもかえって一興でしたが、富士山が見えなかったのは残念。(ひで子)
初時雨から晴天へ。芦ノ湖一望の恩賜公園からの眺めは最高だった。黒玉子も食べた。姥子の紅葉も見事だった。一度姥子に一泊して句会をしたらどんなにか楽しいかと思った。忙しいスケジュールで俳句が出来るのかと思ったが、「案ずるより産むが易し」だったが、駄句ばかり。それでも楽しい吟旅だった。(隆雄)
富士山を心眼で見なければならなかった以外、箱根の様々な景観を楽しめ、本当にすばらしい吟旅でした。(周雄)
心配した時雨もすぐ晴れて絶好の吟旅日和となった今日、バスの運行の手配から句会場の心配まで幹事さんの心細かい配慮に感謝しつつ楽しい一日を過ごしました。(貞子)
きまぐれな山の天気に雨が少々。バスであちこち廻る間に晴れ間が出来て紅葉の箱根路を心ゆくまで楽しみながら、句作に必死でした。辰也さん、隆雄さんのお心配りのお世話で楽しい吟旅でした。関西からのお客様ともゆっくりお話が出来て、ご参加いただいたことに感謝いたしております。又。こういふ吟旅が出来たらと願っております。(節子)
行き届かなかったところもあるかと存じますが、虹の会とメール句会合同でのはじめての吟旅を無事に終えることが出来ました。会計のほうも無事黒字となりまして、残金は虹の会の会計のほうに繰り入れさせていただきたいと存じます。どうぞご了承ください。ご参加くださいました皆様に心よりお礼申し上げます。(幹事一同)