第76回 虹の会 高幡不動尊吟行

平成20年6月29日



参加者18名
天気
句会場高幡不動尊 講堂


五重塔


京王線高幡不動駅からすぐに参道なので、集合せずに自由に吟行することとした。


     

参道
◇参道の七夕飾りが見事で梅雨空を忘れるほどでした。(享子)

◇駅から山門までの間に七夕竹が林立しびっくりした。ここで何句が作ろうとがんばったが、やはり紫陽花だと思い直して門をくぐった。(隆雄)

◇新撰組は京都では悪役で有名だが、この武蔵野の真中では青年の夢を伝える英雄と知り感心した。法事中で入れず、土方歳三の位牌に会えなかったのは残念(周雄)

◇寺の正式名は、高幡不動尊金剛寺。智山派真言宗。日野の出身である土方歳三の菩提寺でもある。丈六の不動明王像、脇侍のこんがら、せいたか童子像は重要文化財である。不動堂ではちょうど護摩を焚いていることろであった。塗香をいただき、おごそかな雰囲気の中参拝することができた。(瓔子)

土方歳三の像

山門への階段
◇狛犬も紫陽花に隠れている。今日の季語は紫陽花と梅雨が多いのだろう。(彰宏)

◇あじさいの花、山あじさいの花の多さに本当に感動しました。それなのにあじさいの句が一句も出来なかったので、いつか再挑戦しなければと思います。(章子)
◇山内札所のあじさいは、ともかくきれいだった。二百種とも言われ、特に濃あじさいが美しかった。句に表すのは難しいけれど、眼裏にしっかりと焼きついている。良い思い出になりました。(とめ子)

◇もう遅いかなと思っていた紫陽花でしたが、雨のおかげで藍色がとてもきれいでした。境内の八十八ケ所巡りの山径が雨ですべりそうでしたが、ゆっくり歩き、途中半分は端折りましたが無事巡りました。(操)


山内八十八ケ所 第一番

紫陽花の道
◇紫陽花まつりもそろそろ終盤でしたが、裏山(高幡城跡)を囲んで作られた八十八ケ所めぐりの順拝路に沿って植えられた紫陽花は、色、種類と多彩で驚きました。(辰也)

◇巡拝路は紫陽花の真っ盛りで雨にもかかわらず、人出がありすれ違う時は傘を傾け合い、あじさい雫を浴び、道を譲り合いました。緑樹が梅雨を忘れさせ清涼さを味わいました。(享子)

◇山あぢさゐは花を散らしていたが、それはそれでよし。その他の多くの紫陽花は雨にぬれて元気はつらつとした感じでよかった。 (隆雄)
◇俳縁の深いお寺で、芭蕉のほかに現代俳句の誓子、波郷、敏郎、盤水、夏風、悦男他の句碑が並ぶ。投句を募集していて、総住職の選があるとのこと。各結社の句会や句大会なども多いとのこと。句碑の中で紫陽花の句は
濃あぢさゐ吾らが病みし日も遠し  波郷
この寺の風鐸の音濃あぢさゐ    盤水
紫陽花も山紫陽花も法の山     敏郎
(斉)

◇句碑がいたるところに建てられて新緑の中、アジサイの中、と楽しませてくれました。(辰也)



小路紫峽先生選

蚊遣焚く水亭廊下緋毛氈享子
お地蔵の頭巾の赤し木下闇ひで子
どこ歩いても紫陽花や法の山隆雄
黴匂ふ鳴り龍天井手を打ちぬ章子
良寛の軸は複製夏座敷章子
容赦なき雨に叩かれ沙羅落花ひで子
地に臥してをる紫陽花のあはれかななぎさ
参道に七夕竹の林立す隆雄
観音の裳裾彩る四葩かな晴義
紫陽花の毬に狛犬かくれんぼ彰宏
紫陽花に埋もれ八十八札所周雄

先生よりメッセージ
「報告の句多し。歩きすぎです。」

 
参加者のひとこと
時間と共に雨が本降りになったが、あぢさゐ祭最後の日曜だったから人出が少なくてかえって良かったかもしれない。(周雄)
紫陽花が有名と言うことで楽しみに来ました。どうぞまだ咲いています様にと念じたのが通じたのか、正に盛りの紫陽花が雨に濡れていやが上にも美しく私共を待っていてくれました。法要を終えた方々の黒い服が赤や青のあぢさゐの間を縫って美しく見えました。五重塔も美しく来た甲斐がありました。(ひで子)
朝、思いがけず川澄住職が下駄を鳴らしてこいを呼び集め餌をやっておられるのに出会う。清々しき一歩。水琴窟、半夏生、夏椿、いずれも初めてそれと認む。俳句のお陰と感謝です。(宏治)
今朝、境内でここのお住職に偶然お目にかかる幸運に恵まれました。心池の鯉が私の顔を覚えていてくれているとおっしゃいました。(章子)
思った程雨も激しく降らず、紫陽花を満喫した。句作には苦労して、どう詠んでよいかわからなくなってしまった。雨に洗われた紫陽花も緑も美しかった。不動明王も拝顔できてよかった。(なぎさ)
紫陽花の寺には恰好の梅雨日和。あざやかな色彩が印象的です。その昔城塞であった山内は歴史の面影を残し、あじさいの色どりと微妙な対比を見せていました。こういう情景は俳句にはかえってむずかしい。・・・がまあいいでしょう。(晴義)
大雨の予報でしたが、それほどでもなく何とか吟行が出来ました。五重の塔の地下の千体地蔵堂の地蔵の数にびっくり。(辰也)
雨の高幡不動、紫陽花は色を増したが足元がしっかりしないので、山には登らず表参道のみ吟行。いつになく人出も少なく、すれ違うのは法事の人々。句会場は18名には少しせまかった。なにより当日まで会場が知らされないのには困惑。(智)
紫陽花は近所にも沢山あるが、このお寺の紫陽花は山を埋めているところが特長らしい。けわしい道を登っていくと次々に咲き満ちた花が現れる。八十八ケ所巡るのはかなり時間がかかりそうだが、天候がよければチャレンジしてみたいものだ。秋の紅葉のときも美しいだろう。(淑子)
雨の紫陽花は風情があると云うがやはり少しつらかった。それにしても紫陽花の句は難しい。(隆雄)
高幡不動は何年か前、二月の豆撒きの行事に参詣したことがある。お不動様けの信仰の厚さのせいか、大変な人出に途中から抜け出した。仁王門の処で小柄なおばあさんが人でに圧倒されておられたので私は咄嗟に戴いた豆をその方に差し上げた記憶がある。今は初夏、境内の紫陽花もやや盛りを過ぎたものの雨に濡れた美しさはやはり捨てがたい(丹花)
大雨の天気予報だったので出かけるのが躊躇されたが、来てみると殆どのメンバーが参加されているのに驚いた。幹事さんの吟行地の選定がよかったのでしょう。一山全て紫陽花に覆われ、見る所も多かったのだが、時間とのたたかいで句作に専念することにし(実は雨が嫌い)見学は犠牲にしました。(柳影)