第81回 虹の会 草加松原吟行

平成20年5月24日



参加者9名
天気
句会場草加文化会館 音楽室



草加松原遊歩道へは、東武伊勢崎線松原団地駅より徒歩約5分。綾瀬川に沿う日光街道の松並木を歩き、芭蕉像や望楼のある札場河岸公園などを吟行した。


   

矢立橋上から松並木を望む
◇あいにくの雨の草加でしたが、芭蕉が出立した日はどんな天気だったかしらと思いながらの吟行でした。長々と続く遊歩道がとぎれることのない見事な松並木でした。矢立橋、百代橋としうのが川を渡る橋ではなく歩道橋とは思いませんでした。(操)

◇振り分け荷の姿で一歩一歩この松並木の下を芭蕉が歩いていたかと思うと昔が今に忽然と現れてくるような気がする。松のみどりにはそんな魔法があるような気もしてくる。ひどい降りではなかったので雨の中の吟行も楽しかった。(とめ子)

◇綾瀬川沿いの松原遊歩道は小奇麗に整備され、緑立つ松が綺麗。(辰也)
◇子規の句碑
「梅を見て野を見て行きぬ草加まで」

◇北千住から8.8q。明治のころの人達には徒歩で来る範囲だったようだ。子規虚子とで野遊びに来たということが子規句碑の裏に書かれ、改めて考えさせられた。(淑子)



望楼
◇草加宿の望楼が残されており。川の対岸から見ると、葉桜の上に顔をだす望楼が印象的でした。(辰也)

◇望楼には登ると、松並木や葉桜が美しく眺められたそうなのですが、登らずに過ぎてしまって残念でした。(瓔子)
◇明治27年から90年間使用されたレンガ作りの堰。椎の大木があって古びた感じに魅かれました。(瓔子)


甚左衛門堰

芭蕉像
◇芭蕉翁の奥羽行脚の命がけの出発に比べると、初めての草加にも一時間余りで来られるとは有り難い世の中だと思いました。それだけに芭蕉翁の旅の苦労が偲ばれます。とにかく松並木と芭蕉像が印象的で、折々に訪れてみたい所です。(章子)

◇芭蕉の旅姿像を過ぎ、札場河岸公園に入ると葉桜と躑躅の花で綺麗に整備されていました。(辰也)
◇「奥の細道」の草加の章段が刻まれた石碑。「其日漸 草加という宿にたどり着きにけり・・・」

◇芭蕉の旅立ちを売り物にしている割に、句碑が子規と秋桜子の二つだけは淋しい。(辰也)

芭蕉文学碑


小路紫峽先生選

道標の濡れにぞぬれし走り梅雨ひで子
望楼の見下ろす堤花は葉に隆雄
真直ぐな日光街道緑立つ
五月雨るる土手に名残の松聳ゆ章子
下闇に遺るレンガの古き堰辰也
堰跡の暗きににほふ椎の花瓔子
望楼の軋む階段黴匂ふ隆雄
緑立つ松を眺めの矢立橋瓔子
百態の並木の松の緑立つ淑子
かつこうの聞こゆ松原子規の句碑辰也
道薄暑芭蕉行脚の地を訪へばとめ子
石畳つづく松原緑立つ辰也

 
参加者のひとこと
小雨の降り続く草加松原遊歩道でしたが夏の日の照りつける松並木よりかえって 風情があってよかったと思います。(章子)
せんべいでお馴染みの草加の町には初めて訪れた。やはり土産にはせんべいが一番だと二袋も買ってしまった。なかなか季語が思いつかず、吟行は五月雨のつづく中大変な苦吟だった。俳句がうまく出来ない時は、感想文もどうもまとまらないようだ。それでも芭蕉ゆかりの土地でもあり、翁像は特に印象深かった。(隆雄)
楽しみにしていた草加吟行も雨に降られちょっぴり残念。でも反って良い句が出来た方も多かったでしょうか。芭蕉の心になって懸命に歩いた積りですが終わって見れば、やはり歩いただけといつもの通り反省しきりです。綾瀬川沿いの遊歩道の松林の美しかった事。つつじの赤が美しく道を彩っていました。桜の頃と彼岸花の頃に又歩きたい道です。吟行のできる事を感謝した一日です。(ひで子)
今日はあいにくの雨になった。午前中は曇天と云う予報が当たらず、降られ放しだった。初めて草加に来たが、せんべい屋の多いのに驚いた。松原遊歩道は変化が少なく苦労した。(周雄)
水運の盛んなときにはにぎわっていたことだろう。草加はよく目にする地名であり、東京への通勤者も多いはず。そのわりにこれまで縁がなく初めて降り立った。今から30年ほど前、私が関東に住むようになったその年の秋の台風は大きな被害が出て、私も恐ろしい思いをしたことを覚えているが、その時に草加も大変であったらしい。 今回は、それ以降に整備された公園に来たわけで感慨深いものである。(淑子)