4月のメール句会

小路 紫峽先生選

3月31日締め切り分





Aグループ
A004 おむすびの並ぶ形や山笑ふ 堀内淑子 原句 おむすびを並べた形山笑ふ
A006 ゴルファに踏まれながらも下萌えぬ 高橋宣子
A010 燕来る上七軒の深庇 河村ひいづ
A013 芽起しの雨の音きき目覚めけり 平松マサエ
A016 京の宿古き雛に迎へられ 岡本道子
A019 春一番卵塔の供華薙ぎ倒す 池田順子
A021 雪国や屋根に梯子を掛けしまま 吉川元二
A033 本陣に名立たる椿咲き驕る 玉本由紀子
A036 麗かや水平線の小さき船 丸谷領一
A039 ダンプの荷山盛りの雪なりしかな 瀬戸とめ子
A043 芽柳の不忍池に触れんとす 井口静子
A062 蝶生れて園丁の側離れざり 竹内柳影
A070 牧童の一人は娘厩出し 古谷多賀子
A081 ポケットに突っ張る句帳土筆摘む 古谷多賀子
A084 一変し雪の旅路となりにけり 井口静子
A093 辞儀深くタカラジェンヌや卒業す 左近静子
A101 吹き入るる花や三平自刃の間 玉本由紀子
A103 千切れ飛ぶ炎の踊る野焼かな 岸本隆雄
A105 遅れ癖なほらぬ時計日脚のぶ 平松マサエ
A111 北山へ走る堤や青き踏む 河村ひいづ
A114 囀りや音を殺して雨戸繰る 吉川元二
A118 べっとりと蜜のしたゝる椿かな 平松マサエ
A126 紀州路や軒端軒端の梅白し 高橋宣子
A132 手間ひまをかけて楽しや雛御膳 島崎裕子
A139 船体の塗替へ作業や風光る 丸谷和子
A145 筆さばきたるかにほどけ牡丹の芽 古谷多賀子
A157 一人暮らし始めたる日の戻り寒 堀内淑子
A174 春灯に綾なす彩の有馬筆 池田順子
A175 初花や臨時停車の縄電車 佐々木忠利
A180 鳥交る修験の山をはばからず 藤田かもめ
Bグループ
B003 雲覆ふ富士の裾野に雪残る 岩島 斉
B008 山寺の鐘のおぼろに峠越ゆ 平野あや子
B009 春寒やポケットにある頭痛薬 古賀一弘
B022 春雨や朝湯帰りに濡れしまま 大村信正
B031 鉢割れてこぼれし土に物芽出づ 小池ザザ虫
B033 木の芽晴メタセコイアの並び立つ 岩島 斉
B035 あさり貝汐吹きつづく暗き土間 平野あや子
B048 番号に見間違ひなし受験済む 菅野直之
B060 雛祭ならぶ母子はうりふたつ 大村信正
B061 苔庭の落ちに落ちたる白椿 中原一宏
B074 御大師の杖が噴かせし井の温む 奥原尋嘉
B080 風道へ高く差し揚ぐ干し鰈 平野あや子