3月のメール句会

小路 智壽子先生選

3月15日締め切り分






Aグループ
A002 急流の渦の真中へ落椿 伊藤瓔子
A004 びつしりと小豆程なる梅蕾 丸谷和子
A007 開店は土日限定梅見茶屋 豊原みどり
A010 競ひ出る引かねばならぬ草ばかり 堀内淑子
A013 菜の花の黄の蕩け出す夕べかな 岸本隆雄
A018 春愁や健診結果異常あり 荻野周雄
A019 水飲み場馬酔木の花に取り巻かれ 池田章子
A021 坪ほどの畑に生きがい種を蒔く 瀬戸とめ子
A022 天地に声転がして揚雲雀 小林豊治
A028 立話途切れひひらぎ匂ひ来し 奥原尋嘉
A032 くり返す入退院や春を待つ 河村ひいづ
A033 はや杖を添へられてゐる牡丹の芽 豊原みどり
A035 一幹に紅白梅の咲く不思議 丸谷和子
A037 襖絵の鶴は応挙や雛の間 玉本由紀子
A039 香煙にゆらぐ瓔珞涅槃変 荻野 操
A041 三脚のぐらつき易し梅寒し 中澤幸子
A042 朱印所へ梅の匂の中をゆく 竹内柳影
A049 踏青や忘れし歌の思ひ出づ 杉浦聖樹
A050 凸凹の畝の土塊地虫出づ 丸谷領一
A052 梅東風や筆の形の河童塚 池田章子
A054 白障子菊の紋透く門跡寺 井上眞千子
A059 留石に並び真紅の落椿 伊藤瓔子
A062 鏡池にほふがごとく梅映る 荻野 操
A070 築山を覆ひ馬酔木は鈴を振る 岸本隆雄
A072 調べよき浅茅が原の芹の水 井上眞千子
A077 踏み出しの大きく一歩青き踏む 南田英二
A086 野遊びや陸の孤島といふ里曲 伊藤瓔子
A088 まだ反り身衰へ知らぬ古雛 南田英二
A090 横向きの加減がよろし男雛 高田信行
A093 御門跡御所詞なり雛遊び 玉本由紀子
A095 主なき狭庭紅梅ここだ咲く 杉浦聖樹
A100 草を引く一人の時間持ちたくて 堀内淑子
A102 池畔行く柳並木の芽立ちそむ 國本桂伸
A105 島なれや崖にはりつく遍路寺 波田好博 原句 島なれや嶽にはりつく遍路寺
A111 剪定の梯子を下りる亭午かな 池田宏治
Bグループ
B002 駅名を告ぐる抑揚のどかなり 小池ザザ虫
B006 子雀や何を見つける土手あたり 柳沼サダ子
B012 日陰にはまだ咲き誇る梅真白 田村公平
B015 夕東風や屋形船出づ隅田川 小川晴子
B021 ヨーデルが聞こえてきそう春の丘 鈴木ぽんこ
B022 冠をちよつこと直して雛飾る えつこ 冠をちよこと直して雛飾る
B026 山笑ふ心配性は母ゆづり 吉沢みさえ
B028 春愁や少女の抱く膝小僧 龍野ひろし
B030 雛飾り老女並んで写真撮る 柳沼サダ子
B033 夕闇の車窓に映る花辛夷 小川晴子
B039 佐賀錦春の光を織り上ぐる 龍野ひろし
B040 菜の花のほんのり黄なり利根の土手 柳沼サダ子
B042 七色ののつぺらぼうの紙ひひな えつこ
B044 水温む人のあふるる海の駅 末永拓男 原句 水温む人いっぱいの海の駅
B045 青き踏む一言主の願叶ひ 小山千里
B049 涅槃会の読経佳境や燭ゆるる 鈴木ぽんこ 原句 涅槃会の読経佳境や火のゆるる
B055 窓開けて隣の庭の梅香る 渡辺 厚子 原句 窓越しの隣の庭の梅香る
B056 頬杖のブロンズ像や木の芽風 小池ザザ虫