5月のメール句会

小路 智壽子先生選

5月15日締め切り分






Aグループ
A002 緩やかに坂は曲がりぬ躑躅咲く 高田信行
A006 筍はすぐに茹でよと宅急便 池田宏治
A008 川風に羽ばたく百の鯉のぼり 田村カネコ
A010 藤の影ゆるる白壁門跡寺 牧野喜代子
A013 藤棚に憩へば昨夜の雨零る 豊原みどり
A015 若葉風たぐりつ登るケ−ブルカー 小林豊治
A021 突つ掛けし下駄のさらりと夏兆す 吉川元二
A022 緑陰や屋敷神へと石の橋 玉本由紀子
A023 風清し京の老舗に軒菖蒲 岡本道子
A026 田一枚揺るがして鳴く蛙かな 堀内淑子
A030 聖五月老犬の乗る乳母車 池田章子
A034 新茶淹れ結婚記念日を祝ふ 岸本隆雄 原句 新茶淹れ結婚記念日祝ひけり
A038 剥製のごと身じろがず神の鹿 豊原みどり
A041 薔薇の香の風にそよめく白髪かな 荻野 操
A043 卯波寄す式部の歌碑の立てる崖 河村ひいづ
A052 新茶汲み昔のことをさりげなく 中澤幸子
A056 巫女拾ふ拝殿前の杉落葉 南田英二
A059 藤蔓に身をまかせたる古木かな 牧野喜代子
A069 仏前に先づはどうぞと新茶かな 吉川元二
A072 ここ痛しあそこが痒く明易し 竹内柳影 原句 ここ痛しあそこが痒し明易し
A074 貸農園取り残さるる植田中 堀内淑子
A080 もう死語になりしか里の水喧嘩 南田英二
A083 風薫る揺るる吊橋渡りきる 牧野喜代子
A085 ハーブ園薔薇の紅茶を振る舞はれ 丸谷和子
A088 拝礼の柏手余韻樟若葉 小林豊治
A092 山容の定かならざる霞かな 瀬戸とめこ
A095 飛花落花高瀬の川面埋めつくし 岡本道子
Bグループ
B005 幾重にも散り敷く色や藤の花 小山千里
B007 宮参り黒羽二重に緑さす 田村公平
B016 一輪車押して筍山下る えつこ
B025 尼寺跡の礎石埋むる夏の草 吉沢みさえ 原句 尼寺跡や礎石埋むる夏の草
B026 明日帰る子に好物の豆の飯 末永拓男
B029 海峡に水脈引く舟や除虫菊 末永拓男
B035 白鷺の首傾げをり植田中 藤崎倉太
B037 落人の里に武者絵の大幟 りゅう太
B042 やはらかき感触至福菖蒲の湯 小山千里
B045 長靴に田植えの泥を持ち帰る 島村三重子
準入選
A038 剥製のごと身じろがず神の鹿 豊原みどり
A050 万国旗めける広場の鯉幟 堀内淑子
A058 日を受けて産毛の光る実梅かな 岸本隆雄
A093 ねんごろに拭ふ仏壇母の日は 吉川元二