8月のメール句会

小路 智壽子先生選

8月15日締め切り分






Aグループ
A001 海女の舟潮目ひときは濃きところ 伊藤瓔子
A004 ゴジラになり仁王にもなり雲の峰 竹内柳影
A006 みたらし祭親子手をとり川に入る 河村ひいづ 原句 みたらし祭手をとる親子川に入る
A011 今朝の秋牛乳壜の触るる音 杉浦聖樹 原句 今日の秋牛乳壜の触るる音
A014 快く過ぎたる一日星月夜 田村カネコ 原句 心よく過ぎたる一日星月夜
A016 大の字になれとばかりや夏座敷 瀬戸とめ子 原句 大の字になれとばかりの夏座敷
A021 反省会とは名ばかりやビール酌む 池田章子
A022 百日紅散りて静かな亭午かな 池田宏治
A024 弥栄や民に青田のあればこそ 南田英二
A026 緑蔭や良き談笑の輪の出来て 豊原みどり 原句 緑蔭や良し談笑の輪の出来て
A030 とんぼうの四方より湧くや橋の上 池田章子
A032 炎昼の音無き町をひた歩く 岡本道子
A035 三尺寝ベンチの下を風抜ける 岸本隆雄
A039 受診日の骨身に沁みる暑さかな 吉川元二
A043 初嵐ひつくり返す庭の鉢 國本 桂伸原句 庭の鉢ひつくり返し初嵐
A046 盆休み客も電話もなかりけり 荻野周雄
A047 岬への灯台の道夏の果て 高田信行 原句 岬立つ灯台への道夏の果て
A049 踊る阿呆血をひく吾は見る阿呆 河村ひいづ 原句 踊る阿呆血をひくわはれ見るあほう
A052 蜥蜴這ふチャペルの門の赤煉瓦 杉浦聖樹
A055 とんぼうのちよと触れてゆく心字池 岸本隆雄
A059 目差しの見えぬ挨拶サングラス 丸谷領一 原句 眼差しの見えぬ挨拶サングラス
A063 終戦忌その日の句会まづ黙祷 河村ひいづ
A066 積み上げし廃車の山や草いきれ 吉川元二
A071 磐余野の道の小田なり稲の花 井上真千子
A072 不忍池の極楽蓮に風 池田宏治 原句 不忍池のここ極楽や蓮に風
A076 黙祷や眼裏の色夾竹桃 小林豊治
A079 朝の陽に白く輝く海女の舟 伊藤瓔子
A090 初秋やメモとり読める歴史物 池田章子 原句 初秋やメモとりつ読む歴史物
A092 舌出しつ右往左往の蜥蜴かな 杉浦聖樹 舌出して右往左往の蜥蜴かな
A096 梅雨明けの雨どしやぶりや軒借りる 河村ひいづ 原句 梅雨明けのどしゃぶり雨や軒借りる
A100 曝書にはあらず露天に古書を売る 池田宏治
A102 菩提樹の実を遊ばせるたなごころ 井上真千子 原句 菩提樹の実の遊ばせるたなごころ
Bグループ
B004 玉の汗涙と拭ふ甲子園 田村公平 原句 玉の汗涙で拭う甲子園
B006 手を繋ぐ刹那も花火上がりけり 加々良 舞
B008 閼伽桶の柾目清らか墓洗ふ りゅう太 原句 新桶の柾目清かや墓洗ふ
B010 石工屋の広告燐寸墓参 えつこ
B012 太陽と月の架け橋飛行雲 渡辺 厚子
B017 震災の遺構離れぬ赤蜻蛉 龍野ひろし
B022 裏返しウエットスーツ月に干す りゅう太
B023 裏路地や向ひ合せの木槿垣 えつこ 原句 裏路地の向ひ合せの木槿垣
B028 鬼やんま交みて水面打ちにけり りゅう太
B030 桃届き近況報告長電話 島村三重子
B035 グランドに感謝の子らや大西日 田村公平 原句 グランドに感謝の子らに大西日
B040 特攻の基地跡尋ぬ蝉時雨 藤崎倉太
準入選
A038 朱書なる己の墓を洗ひけり 丸谷和子
A086 肩幅に足らぬ片陰拾ひけり 中澤幸子
B013 陰見つけ線路工夫の三尺寝 田村公平
B037 火の粉散る手筒花火を抱く勇姿 小川晴子