1月のメール句会

小路 智壽子先生選

1月15日締め切り分






Aグループ
A001 ジャンボくじすつかり忘れ年を超す 吉川元二
A007 境内をはみ出す人出初薬師 河村ひいづ
A009 元日草平穏祈る福と寿と 國本桂伸
A012 手の平でさつと摑める冬の蝿 岸本隆雄 原句 手に平でさつと掴める冬の蝿
A015 床の間に歳寒三友客迎ふ 丸谷和子
A017 神鶏の蹴散らす土の冬旱 瀬戸とめ子
A019 潜水士潜りし傍で鴨浮寝 北崎広治 原句 潜水士潜りし脇で鴨浮寝
A020 双六で奥の細道たどりけり 竹内柳影 原句 双六でおくのほそ道たどりけり
A021 喪は一様ならずと思ふ賀状書く 堀内淑子
A024 百蕾の金縷梅に日の惜しみなく 池田章子 原句 百蕾のまんさくに日の惜しみな
A029 干素麺ハープ奏づるごと揺るる 牧野喜代子 原句 干し素麺ハープ奏でるごと揺るる
A030 一斉に電線を立つ雀かな 田村カネコ 原句 一斉に電線飛び立つ雀かな
A035 寒気団居直り日本縮こまる 玉本由紀子
A037 気晴らしと畑見回り雑煮膳 吉川元二 原句 気晴らしと畑見回り雑煮祝ふ
A039 初みくじ戯れ書きの英和文字 河村ひいづ 原句 戯れや英和の文字の初みくじ
A040 御掛鯛二尾向き合ひて飾られし 丸谷和子 原句 御掛鯛二尾抱き合つて飾られし
A043 初御空飛翔のものに手を合はす 小林 豊治 原句 初御空翔ゆくものに手を合す
A047 濡れ縁に大笊三つ大根干す 奥原尋嘉
A050 風花や白寿の父の骨拾ふ 池田章子
A053 アメ横で値切るあれこれ年用意 岸本隆雄
A054 宇陀なれやカフェの庭にも年木積む 牧野喜代子
A060 寒柝の子供の声の遠ざかる 高田信行 原句 寒柝の子供の声や遠ざかる
A062 卒寿なる期待は如何に初みくじ 田村カネコ 原句 九十の期待は如何に初みくじ
A070 吹雪くてふニユースの地には母独り 瀬戸とめ子
A071 西洋梨自在な形して香る 綿引多美子
A074 雪吊に国宝の塔冴え冴えと 池田章子
A076 閼伽桶や柄杓にて割る薄氷 河村ひいづ 原句 柄杓にて割りし閼伽桶薄氷
A077 歴代の逸話あれこれ暖炉燃ゆ 荻野 操
A079 この長蛇村の鎮守の初詣 丸谷領一
A084 レントゲン画像が吾の初写真 竹内柳影
A088 豪華船冬の埠頭に泰然と 丸谷和子
A090 初参り朱の大鳥居まづくぐる 河村ひいづ
A092 雪吊の金に輝く日暮かな 岸本隆雄
A094 断腸の思ひとどかぬ拉致や冱つ 南田英二 原句 断腸の思ひとどかぬ拉致や沍つ
A097 ペダル漕ぐ頰の痛むや冬の朝 高田信行 原句 冬の朝頬の痛みやペダル漕ぐ
A103 輪飾りをそつと外して握る杖 吉川元二
Bグループ
B003 割烹着丸めて座る屠蘇の席 山下みつぐ
B008 七草の洋風味の粥となる 島村三重子
B012 冬日燦頬豊かなる寿老人 鈴木ぽんこ 冬日燦頬豊かなる寿老神
B013 柄杓もて手水の氷割りにけり みつぐ
B015 それぞれの思ひ出語る阪神忌 加々良 舞
B019 誇らしく並ぶ出初の消防士 龍野ひろし
B022 初売の試飲は灘の生一本 小山千里
B023 初富士や天辺見ゆる雲の上 田村公平 原句 初富士や天辺だけが雲の上
B025 冬ざれや玻璃戸の歪む異人館 鈴木ぽんこ
B028 橇に鈴付けてじいちやんやつてきた 藤崎倉太
B031 元朝や帯を結びて清清し 小川晴子 原句 元朝に帯締めて身の清清し
B034 控へ目に寒紅さして同期会 関恵子 原句 控えめに寒紅さして同窓会
B037 初凪に富士は裾野を広げたり 田村公平
B039 正月や一軒のみの日章旗 龍野ひろし 原句 正月や一軒だけの日章旗
B042 旅先や桶を鳴らして初湯なり 柳沼サダ子 原句 旅先や桶を鳴らしつ若湯なり
B044 初詣足元靴の和服の子 島村三重子
B045 初物の裾分け五つ蕗の薹 小川晴子

準入選
A016 伸びしろは畳の目とや日脚のぶ 綿引多美子
A025 悠揚と輪を描く鳶や初御空 荻野 操 「類句あるやも」
A057 パン食の恋しと思ふ三日かな 小林豊治