2月のメール句会

小路 智壽子先生選

2月15日締め切り分






Aグループ
A005 厳寒の冬季五輪や意気滾る 高田信行
A009 雑然としたる茶の間のあたたかし 吉川元二
A012 新しき杖買ふ妹や水温む 河村ひいづ
A013 人込みに用心したる大マスク 豊原みどり
A018 大縄跳び声に押されて子の潜る 丸谷領一 原句 大縄跳声に押されて子の潜る
A019 大玻璃に写るショールを正しをり 南田英二
A020 二三片円窓亭へ風花す 玉本由紀子
A024 余寒なほ野菜の高値をさまらず 奥原尋嘉
A026 歌麿の切手寒中見舞ひ来る 伊藤瓔子
A030 見渡せど見えぬ日の丸建国日 荻野周雄
A035 積雪に白き世界の朝ぼらけ 田村カネコ
A042 待春や床の間飾るランドセル 小林豊治 原句 待春の床の間飾りランドセル
A044 薄色の短冊ゆかし初句会 玉本由紀子
A050 卒寿越しこころたゆたふ柚子湯かな 國本桂伸
A055 江戸三に俄句会や女正月 玉本由紀子
A057 笹子よとめくばせ交はす吟行子 奥原尋嘉 原句 笹子よと目配せ交はす吟行子
A058 山辺の道なり沿ひに垣直す 井上眞千子
A059 山積みの堆肥袋や春を待つ 吉川元二
A065 待針の三人三様納め針 池田章子
A067 池普請細き流れを通しをり 池田宏治
A068 天窓に月蝕を見る寒夜かな 堀内淑子
A071 頬被り昔の上司畑を打つ 河村ひいづ
A078 カフェテラス春は名のみの日差しかな 池田宏治
A083 寒濤を物ともせずにタグボート 北崎広治
A089 雪下ろし疲労困憊腰痛も 丸谷和子
A092 朝市のバケツに馴染む猫柳 小林豊治
A096 風折れか裂け目新し梅ふふむ 堀内淑子
A100 老いぬれば家が極楽二月尽 吉川元二
Bグループ
B003 ポスト上ミニ雪達磨手紙待つ 渡辺厚子
B005 雨粒のきらりと光る冬芽かな 鈴木ぽんこ
B008 春の宵遠くかするる汽車の笛 小山千里
B013 明日こそと開花を待てる室の花 加々良 舞
B015 そこだけは日差し明るき花菜畑 龍野ひろし
B025 北風や遺跡掘る人身震ひす 藤崎倉太
B039 溶け競ふ仮設の軒の長氷柱 小山千里
B043 火の番と会ひて帰宅を急ぎけり 関 恵子
B046 水車小屋ひつそりとして春を待つ 藤崎倉太

準入選
A001 この日和豪雪の地に届けたし 丸谷和子
A094 白足袋の身振り狂言舟を漕ぐ 中澤幸子