3月のメール句会

小路 智壽子先生選

3月15日締め切り分






Aグループ
1 あの辺り富士の山とや春霞 瀬戸とめ子
3 継続に自信なけれど畑を打つ 吉川元二
5 レジ横に蕗の薹置く道の駅 牧野喜代子
10 看板の褪せし旅館や猫の恋 池田章子
16 菜の花黄学習園のひとところ 奥原尋嘉
17 笹鳴きや戒壇院の通り抜け 井上眞千子
20 手を合はす軍人墓地に笹鳴ける 豊原みどり
27 登りつめ天道虫の飛ぶ構へ 國本桂伸
41 まほろばの風に白梅散りにけり 伊藤瓔子
44 忌を修す利休百首を繙きて 玉本由紀子
47 啓蟄や昨日と何も変はらずも 北崎広治
50 春うらら園児の散歩微笑まし 島村三重子
56 伝馬船水脈引く行く手春の潮 小山千里
65 囀の広き城址や逍遥す 丸谷領一
67 右近碑の裾に一輪すみれ草 牧野喜代子
70 たんぽぽに黒点ひとつ拠る小虫 奥原尋嘉
75 一本路遠き裾野の陽炎へる 國本桂伸
83 寺田屋の小屋根徘徊うかれ猫 河村ひいづ
84 受験絵馬なかに恋愛成就絵馬 堀内淑子
96 不夜城のコンビナートや灯の朧 池田章子
100 お点前や備前の壺に白椿 池田章子
101 かぎろひの丘に上りて初音待つ 南田英二
106 武具飾る一刀彫の老舗かな 牧野喜代子
113 急ぐ勿れここら土筆の群生地 堀内淑子
116 吾が孫の花嫁姿春日燦 國本桂伸
120 雛の間に煙漂ふ合掌家 岸本隆雄
126 土筆摘むすぐ目移りの子供たち 綿引多美子
130 箸墓にたゆたふ煙畦を焼く 井上眞千子 原句 箸墓にたゆとふ煙り畦を焼く
132 蕗の薹避難訓練なる空き地 瀬戸とめ子

準入選
29 梅の花見知らぬ家に立ち話 堀内淑子 原句 梅褒めて見知らぬ家に立ち話
33 無精髭マスクで隠し人に会ふ 竹内柳影
58 豆飯や食べすぎと言ひお代りす 池田章子
72 トンネルを抜けて疏水は春の水 小林豊治 原句 トンネルを抜ける疏水や春の水
91 沈丁花香りを纏ひ庭掃除 南田英二 原句 沈下の香りを纏ひ庭掃除
110 黄塵やみなとみらいのビルを消し 荻野周雄 原句 黄塵やみなとみらいのビル消ゆる